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令和元年度 事業承継フォーラム

あなたの事業承継、
準備できていますか?

「自分の代で事業をやめるつもり」

 60歳以上の経営者のうち、5割以上が廃業を予定しており、特に個人事業者においては実に約7割がこのように答えています。

 現在、事業承継の予定がない、あるいは適任となる後継者が見つからないなどといった理由で、多くの中小企業が廃業の危機に直面しています。

 帝国データバンクが調査した「中小企業の経営者年齢分布」によると、ここ20年間で経営者の高齢化が一気に加速し、1995年は年齢のピークが47歳だったのに対し、2018年は69歳へ移動。仮に、このような状況が進むと、2025年には70歳以上の中小企業経営者が約245万人にのぼり、うち約半数の127万人が後継者未定になると推測されています。

年代別に見た中小企業の経営者年齢の分布

 この数字は日本企業全体の約3割を占めることからも、現状を放置すれば、2025年までの10年間の累計で、約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われると試算されています。さらに、経営者の高齢化は特に地方が深刻で、後継者不在による倒産や廃業が進めば、全国各地の産業に大きなダメージを与える可能性が高いといわれています。今、まさに国として、地域として、事業承継は喫緊の課題といえるでしょう。

進まない事業承継に
国の支援施策が拡充

 これほど問題提起されているのにもかかわらず、なぜ事業承継は思うように進まないのでしょうか。

 当たり前ですが、事業承継は一世一代の大きな取り組みであるため、事業承継に慣れている経営者はいません。経営者は日々の業務に追われるため、事業承継の重要性やタイミングに気付くのが遅れ、どうしても後回しにしがちです。アクションを起こそうと思った時には時間的な余裕がなくなってしまったという経営者も多くいます。また、第三者に事業を承継したいと考えていても、後継者を見つける方法が分からないという経営者も少なくありません。こうした理由が、二の足を踏んでしまう原因になっているようです。

 このような現状を踏まえ、国は様々な事業承継支援対策を打ち出しています。中小企業庁は、平成29年以降の5年間を事業承継支援の集中実施期間と定め「事業承継5ヶ年計画」を策定しました。

 事業承継の準備が後回しになっている経営者には、事業承継診断などによるプッシュ型の支援によって、事業承継課題を掘り起こすほか、後継者不在の経営者には、事業引継ぎ支援センターの体制を強化することで、第三者とのマッチング支援などを行っています。

 一方、後継者がすでに決まっている経営者には、税制の拡充や、事業承継補助金による支援などを充実させることで、後継者が経営革新などの新しいチャレンジがしやすい環境作りを目指しています。

事業承継体験者からの
熱きメッセージ

 中小企業基盤整備機構(以下:中小機構)では、事業承継について詳しく知りたい、事業承継について考えるきっかけにしたい、あるいは他社の取り組みを知りたいといった経営者に向けた「事業承継フォーラム」を開催しています。

平成30年度事業承継フォーラムの模様
平成30年度事業承継フォーラムの模様

 平成30年度は、大阪、福岡、仙台の3会場で行われ、前半の基調講演では「未来戦略として取り組む事業承継」と題し、事業承継した経営者自身が体験した事業承継の難しさ、悩んだ点などの体験談を語っていただきました。来場者からは、「何を残すのか、何を伝えておくのかが明確になった。」「事業承継にあたり、整備すべき事項が理解できた」といった感想が寄せられ、事業承継の具体的な取り組みについて理解できたという人が多数いらっしゃいました。

 後半は「変革の時代、経営者と後継者の使命とは」と題したパネルディスカッション形式で、事業を承継した経営者(前任者)と後継者が登壇。経営者は未来のために何を託し、次に何をつなげていくのか。後継者は託された未来をどのように引き継ぎ、これから何にチャレンジしていくのか。パネリストが自らの経験をもとに、企業経営の思い、事業承継のきっかけとなったエピソードやポイントなどが紹介されました。

パネルディスカッションではクイズ形式の質問が行われ、活発な意見交換がなされた
パネルディスカッションではクイズ形式の質問が行われ、活発な意見交換がなされた

「〈承継者を育てる心構え〉と〈承継者の心構え〉は、これから継いでいく人のみならず、多くの人に聞いていただきたいと思いました」「パネリストが本音を話していたのがよかった。事業承継の課題がよく分かった」といった声が寄せられました。

 令和元年度は、東京と大阪で開催します。基調講演では「老舗だから出来たベンチャー型の事業承継」と題し、菊正宗酒造株式会社 代表取締役会長である嘉納毅人氏による、ご自身の経験に基づいた事業承継と経営について語っていただく予定です。

 パネルディスカッションは、2会場合わせ4社8人の経営者と後継者がパネリストとなり、「経営者と後継者で築く企業の未来」をテーマにお話いただきます。事業承継の体験をとおして、経営者と後継者はそれぞれ企業が進むべき未来をどのように描いていったのか、といった興味深い内容についても掘り下げていく予定です。

 事業承継をそろそろ考えておきたい、事業承継で分からないことがあるといった経営者の方々のために、事業承継に関してより多くの情報を共有するイベントとして、今年も皆様のご来場をお待ちしております。

令和元年度 事業承継フォーラム~想いと信頼を未来へつなぐ~

参加無料/事前登録制お申し込み、詳細はこちらから