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本社を移転、新たな価値を生みだす場へ

東京・日本橋に移転した本社はグローバルビジネスの中枢拠点であるとともに、ステークホルダーとの共創の場としての役割を担う。

成長の原動力はステークホルダーとの協業にある

 グループ売上高1兆2000億円、グループ従業員数10万人の総合電子部品メーカーとしてグローバルにビジネスを展開するTDK。同社は2018年秋に5年半ぶりに本社を東京・日本橋に移転した。1935年にフェライト(磁性体、電子素材)を事業化して以来、一貫して素材、材料、電子部品を提供してきた同社は、今回の本社移転を機にさらなる飛躍を目指す。

 移転プロジェクトをリードしてきた総務本部 本部長の鬼頭伸治氏は「当社はモノづくりをベースに、お客様と一緒にコトづくりに取り組んできました。グローバル企業への成長を実現した地である日本橋に戻ったことを機に、社員の働き方を改革し、ステークホルダーとの交流を深め、(2035年に迎える)創業100年に向け、そしてそのまた先につながる礎を築きたい」と語る。

 新本社には多くの新しい試みが取り入れられた。象徴的なのが、本社の受付周辺の体感型ショールーム“レゾナンス”だ。「共鳴」「共振」を意味するレゾナンスという言葉通り、来訪者に対して同社とビジネスを行うためのきっかけとなる情報を提供している。

協業のきっかけとなる情報をショールームで提供

 最初に目に飛び込んでくるのが、TDKが描く未来を7つのアプリケーションで表現したグラフィックウォールだ。IoTや自動運転などの7つのアプリケーションに対して同社の製品がどのように貢献しているかを数分の映像でプレゼンテーションする。また、その奥に設けられた大画面のシアタールームでは、これらを集大成したコーポレートブランディングムービー“Make it Attractive”が上映される。さらに同社の技術力を直に感じることができる多数のデモサンプルも展示されている。

グラフィックウォール
新本社の入り口に設置されたグラフィックウォール

 このような展示物などで同社に対する理解を深めた後、コラボレーションについて意見交換できるスペースも用意されている。「多くのステークホルダーに訪れてもらい、新規ビジネスなどの意見交換をしたい」と鬼頭氏。ここから米国のサンノゼやドイツのミュンヘン、中国の深圳といった海外のR&D拠点のメンバーともテレビ会議システムでつながる。拠点ごとに市場特性も異なるため、業界ごとのより実践的な議論が期待できる。

TDKテクニカルセンター
TDKテクニカルセンター(千葉県市川市)の新棟

 鬼頭氏は「今年1月、千葉県市川市にあるTDKテクニカルセンターの新棟が竣工しました。同センターの技術部門のメンバーともディスカッションしていただき、必要に応じて現場でさらに話を進めるといったことも想定しています。新本社に来ればビジネスのヒントが見つかる、そう言われるようにしていきます」と語る。

柔軟なワークスタイルで社員の創造性を高める

オフィス
フリーアドレスが導入されたオフィス。異なるメンバーとの交流により新たなコミュニケーションが創出される

 グローバルビジネスの中枢拠点である新本社には、そこで働く社員の働き方を変え、創造性を高めるための機能も備わっている。本社では初となるフリーアドレスを導入し、自由な働き方を選択して生産性を高めるとともに、コミュニケーションを活性化させて新たな発想の喚起を促す。

 また、気軽に打ち合わせができるカフェや、さっと少人数での作戦会議ができるハドルルーム、1人で集中できる囲いのある席、大型ディスプレーの前で全員が同じ方向に向かって座るプレゼンシートなど、様々なシーンに対応したスペースやエリアも用意された。

カフェ
明るく広々としたカフェ。ここで仕事もできる

 「日本橋という場所もオフィスの雰囲気も社員からは好評です」と鬼頭氏は語る。クリエイティビティーを高めた同社の社員たちと、来訪して気づきを得た人たちがともに新しいビジネスを生み出せることが新本社の価値となる。ここからどんなビジネスが生まれるのか、今後が楽しみである。

The voice of the person in charge
鬼頭 伸治氏
TDK株式会社
総務本部 本部長
鬼頭 伸治氏
人と人をつなぎ新たなビジネスの扉を開く

ステークホルダーの皆さんと当社の社員が活発にコミュニケーションを行うことで新たなコラボレーションが生まれることを期待しています。そのためにリラックスできる環境と有意義なディスカッションをできる場を用意しました。

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