オフィス環境には従業員に対する企業の姿勢が表れる。そこをおろそかにしていると、優秀な人材の採用・育成・定着を図ることはできない。働き方や働く場の多様性が増す中、企業に求められるのは、従業員の自己実現を支援し、共創を促すこと。オフィス環境づくりに従業員を広く巻き込む企業も出てきた。9月上旬に開催した東急不動産協賛によるセミナーでは、先進企業のオフィス環境づくりから、優秀な人材を集める秘訣を探った。

株式会社シグマクシス
代表取締役会長
倉重 英樹 氏
基調講演ではシグマクシスの倉重会長が登壇。「人類の歴史を振り返ると、『知の融合』の活発化が、文明度を上げ、社会を変化させてきた」と語る。知の融合は今後の経営で大事な視点だ。一方、予測不能環境(VUCA)下では、対応力、創造性などを持つ目的志向型の経営も求められる。
時代の変化を背景に新しい価値創造が欠かせないが、「日本企業はいまだ20世紀モデル。会社の戦略や目標に向かう意欲であるエンゲージメントを欠く社員も多い。経営者はまず社員をハッピーにし、自律的にワクワク感で仕事に臨めるようにすべき。ハッピーな社員が、顧客をハッピーにする」と倉重会長は話す。
オフィスの役割は今、社内外の英知を活用し新しい価値創造を行うことにある。仲間と自律的に協働し、意義ある仕事で成果を出せる楽しい環境づくりを考えていきたい。