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年間12億ドルを売り上げる成長企業が明かすリモートワーク体制でチームパフォーマンスを維持する秘訣

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、日本の多くの企業がリモートワークの実施を迫られた。その中で急浮上した課題の一つが、組織やチームのパフォーマンスの維持。そうした中、日本を含む世界約4,000人の従業員の迅速なリモートワークシフトを実現し、リモートワーク体制下でのパフォーマンス維持に成功しているアトラシアンの朝岡絵里子氏に話を聞いた

リモートワークでもチームのパフォーマンスと創造性を最大化する

 オフィスで働いていたチームのメンバー全員が、いきなり各自の自宅で仕事を進めざるをえなくなる──。急激な在宅勤務シフトで多くの企業が生産性の低下に苦慮する中、全従業員をリモートワーク(在宅勤務)に切り替えながら、普段通りのパフォーマンスで事業を継続させている企業が、オーストラリアに本拠を構えるアトラシアンだ。

 同社は日本政府が緊急事態宣言を発出した約2カ月前の2月には、日本法人の全従業員を在宅勤務へとシフトさせ、3月上旬には世界12か所(日本含む)の全従業員・約4,000人の在宅勤務移行を完了させた。

 アトラシアンは、ソウトウエア開発チームの共同作業を支援する製品・サービスの開発・提供会社として2002年に創設。以降、ハイペースで業容と売上規模を拡大させ、2018年度(2019年6月期)も前年比38%増の12億1,000万ドルを売り上げた。製品の守備範囲はソウトウエア開発以外の分野にも押し広げられ、今日では、企業を構成するすべてのチームの共同作業を支援するツールとして、世界中の多くの企業でアトラシアン製品が使われている。さらに同社では、チーム構築やチームパフォーマンス改善のコンサルティングとコーチングのサービスも展開している。

 「アトラシアンの生業は、チームワーク(チームの協働)を支援する製品・サービスの提供です。ゆえに、製品やサービスづくりにおいても、自社の組織づくりにおいても、チームのパフォーマンスや創造性を最大化することに徹底してこだわってきました。そんな当社において、在宅勤務を含むリモートワークは働き方の選択肢として、当たり前のように活用されてきたものです。言い換えれば、日常的にリモートワークを実践し、その鍛錬を積み重ねてきたということです」と、アトラシアン日本法人でシニアマーケティングマネージャーを務める朝岡 絵里子氏は言う。

 こうした実践を通じて、アトラシアンは、リモートワークを組織の文化として育み、リモートワーク体制下でもチームのパフォーマンスや創造性を最大限に引き出すためのノウハウを豊富に蓄えてきた。それが、全従業員が自宅で作業をしていても、普段と変わらぬパフォーマンスが維持できる理由であると朝岡氏は語る。

朝岡 絵里子 氏