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紙と判子から脱却する会計財務のDX化とは

意思決定を加速させる会計財務のDX化
紙とハンコから脱却するポイント

コロナ禍によってテレワークが急速に進み、多くの企業でDX(デジタルトランスフォーメーション)への流れが加速している。政府による電子帳簿保存法の改正や行政手続における書面規制・押印・対面規制の見直し、デジタル庁の創設などは、その取り組みにさらに弾みをつけることになるだろう。そうしたなかで実践してきたマネーフォワード自身の取り組みを紹介する。
株式会社マネーフォワード
クラウド経費本部
本部長
今井 義人 氏

 政府によるさまざまなDX化の政策が推進されているが、マネーフォワードの今井義人氏は、その中からとくに次の3つの動きにフォーカスした。

 まずは2020年10月1日に施行された電子帳簿保存法改正で、クラウド上のデータなど利用者がデータ改変できないものは、電子データとして保存することが可能となった。

 次が行政手続における書面規制、押印、対面規制の見直しだ。「当社のお客様からも、ハンコの必要性を見直し始めたという声が寄せられています」と今井氏は、国が動くことによって一般企業の間にも“脱ハンコ”の動きが広がっていることを示唆した。

 そして3つめが政権によるデジタル庁の創設だ。これにより給付金の申請など行政手続きのデジタル化が進むことが見込まれるとともに、こちらについてもその動きが一般企業に波及していくことが大きく期待されている。

 なお、上記のうちの電子帳簿保存法については従来から法人カードに加え、一般的なクレジットカード、交通系ICカード、スマホ決済等の利用も電子取引に該当することが明示されたことも今回の改正の大きなポイントとなっている。

 一方で社内の業務変革としてマネーフォワードは、コロナ禍を機に管理部門のテレワークを開始し、2月度月次決算、第一四半期決算、さらに3月度および4月度月次決算を完全テレワークで実施してきた。

管理部門のテレワークを
実現した3つのポイント

株式会社マネーフォワード
執行役員
経理本部 本部長
松岡 俊 氏

 もっとも、最初から抜本的な変革を目指してきたわけではない。マネーフォワードの松岡俊氏は、「初めてテレワーク環境からの決算に挑戦しましたが、日々クラウドツールを導入し、様々な業務改善を積み重ねてきた結果がこの対応を可能としました」と語った。そして「焦ってクラウドツールを導入しても、業務フローの分解ができなければ失敗してしまう可能性があります。少しずつ環境や文化を変えていきましょう」とアドバイスするとともに、自分たちの3つの成功要因を示した。

 1つめはクラウドツールの活用だ。マネーフォワードの経理本部は、自社製の「クラウド請求書」「クラウド経費」「クラウド会計Plus」のほか、Salesforceなどを導入しており、これらのクラウドツールで業務を構築することを意識している。

 2つめは電子承認で、社内はもとより外部に対しても可能な範囲で電子化による対応を要求してきた。3つめが外部の専門家と連携だ。マネーフォワードでは監査法人にクラウド経費やクラウド会計Plusのアカウントを発行して連携を図ってきたという。

 管理部門における現場目線の改善ポイントとして多くの企業の参考となるはずだ。

支払業務(業務フロー)
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