日経ビジネス電子版Special

LegalForceが法務を強くする

Special対談 三井物産 法務部長 高野雄市氏×LegalForce 代表取締役CEO 角田望氏 多様化する役割を担うためテクノロジーで企業法務を変革する

ビジネスを取り巻く環境が複雑かつ不安定になっている今日、持続的な経営を支える企業法務の役割はますます重要になっている。企業法務が、その持てる力を最大限に発揮するには何が必要なのか。三井物産 法務部長の高野雄市氏と、法務業務を支援するソフトウエアを提供するLegalForce 代表取締役CEOの角田望氏が語り合った。

法務の側面から経営に貢献できる人材を育成する

 三井物産の法務部は、同社のグローバルな事業展開を草創期から支えてきた重要な部門だ。国境を越えて手掛ける幅広いビジネスは、国際法のみならず、相手国・地域の法制度や商習慣に沿った契約に基づいて行われることが多く、解釈の違いなどによる紛争も後を絶たない。事業の大きさによっては、契約をめぐるもめ事が経営に致命的なダメージをもたらし得ることから、同社にとっての法務の重要性はよく分かるだろう。

高野氏
三井物産株式会社
法務部長
高野雄市

 「新型コロナウイルスの感染拡大によって、ビジネスを取り巻く環境は厳しさを増し、デジタル技術などを駆使した新しいビジネスが次々と生まれるなど、会社そのものが置かれている環境の変化とともに、法務が担うべき役割も多様化しています。三井物産の法務部では、果たすべき役割として、ナビゲーター、エクスプローラー、ガーディアン、オーガナイザーの4つを掲げています」と、三井物産 法務部長の高野雄市氏は説明する。

 ナビゲーターとは、経営陣や事業部門に法務リスクの所在を知らせ、滞りなく事業活動が行えるように進むべき道を示す「航海士」の役割のこと。ガーディアンは、大型損害賠償訴訟など、会社に甚大な影響を与えうる事件や事象を迅速かつ合理的な解決に導く「守護者」としての仕事だ。

 法務観点での社内外の連携・関係強化におけるリーダーシップの発揮や、約500の連結関係会社を持つグループ内でのガバナンスおよびコンプライアンス体制の強化などをリードする「世話役」(オーガナイザー)としての役割も欠かせない。

 さらに、事業部門が新規事業などの未知の領域に挑む際には、初期の検討段階から法的課題や解決をアドバイスするなど、「探検家」(エクスプローラー)としての役割を果たすことも重要な使命である。

 「いずれも法務の専門知識のみならず、事業ごとの知識を兼ね備えていないと適切な判断やアドバイスができない仕事です。そこで、なるべく多くの法務部メンバーを若手のころから事業部門や海外店などに派遣し、現場の知識を吸収させています」(高野氏)

 また三井物産の法務部は、こうしたビジネス法務のほか、コーポレート・ガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底に関する支援も主な業務領域としている。

 そのため、「メンバーには、『法務の仕事は企業価値を高め、企業価値を創ること』であるということをしっかり認識しながら仕事に取り組んでもらっています。目指しているのは、法務の側面から経営に貢献できる『経営法務人材』の育成です」と高野氏は説明する。

 そんな企業法務のトップランナーともいえる三井物産の法務部では、法務のDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、LegalForceが開発したクラウド契約書レビュー支援ソフトウエア「LegalForce」を導入した。

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