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先の読めない時代に、企業はどう対応すべきか? 不確実が高まる中で求められる製造業の「企業変革力」

サプライチェーンの寸断、需要の急変など、新型コロナウイルスの感染拡大とともに、製造業を取り巻く環境は不確実性を増している。先の読めない時代を生き抜くため、製造業は何をすべきか? 経済産業省の矢野剛史氏と、日本オラクルの谷口耕三氏、山口 勝氏が語り合った。

ダイナミック・ケイパビリティを高め
環境変化に柔軟に対応する

谷口:経済産業省では『2020年版ものづくり白書』の中で、不確実性の高まる時代における、製造業の現状と課題を分析されています。その中で、日本の製造業が生き残るためにはダイナミック・ケイパビリティ(企業変革力)を高める必要があると提言されていますね。経済産業省の矢野さんからもう少し具体的なご説明をお願いします。

矢野 氏
経済産業省製造産業局
ものづくり政策審議室長
矢野 剛史
1997年、通商産業省(基礎産業局総務課)に入省、その後、資源エネルギー庁、内閣官房(知的財産戦略推進事務局)、在シンガポール日本大使館、貿易経済協力局(貿易管理)等を経て、現在、ものづくり政策審議室長として、ものづくり白書の作成等を担当。

矢野:ダイナミック・ケイパビリティとは、米カリフォルニア州立大学バークレー校ハース・ビジネススクールのデビッド・J・ティース教授が提唱した概念で、「環境変化に対応するために、組織内外の経営資源を再結合・再構成する経営者や組織の能力」のことです。

 新型コロナウイルス感染症の影響によるサプライチェーンの寸断や、社会やサービスのデジタル化による需要の急変など、製造業を取り巻く環境は不確実性が増しており先が読めなくなっています。環境の変化に合わせて企業のあり方や業務プロセスを柔軟に変革するためにダイナミック・ケイパビリティの重要性が高まっています。

山口:ダイナミック・ケイパビリティを高めるためには、どのような取り組みが求められるのでしょうか。

矢野:まず取り組むべきなのは、需要の変化に関する情報を、経営層から各部門の現場に至るまでのすべての担当者が共有することで、変化に即応してスピーディに追加生産したり、新製品を迅速に投入したりできるような体制を整えることです。そのためには、サプライチェーンやエンジニアリングチェーンを一気通貫で把握するためのデータ活用基盤の整備が不可欠です。

谷口:矢野さんのおっしゃる通りだと思います。私たち日本オラクルも、不測の事態をいち早く検知し、サプライチェーン全体の把握に加えエンジニアリングチェーンを融合させることが重要と考え、市場応答性を高め、タイムリーに製品供給できる体制づくりを実現するための総合的なソリューションを提供しています。

矢野:それは大変興味深いですね。御社のソリューションについて詳しく教えてください。