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コロナ後も「変わり続ける世界」にどう対応すべきか? データを活用してニューノーマルの実像を見定める

新型コロナウイルスの感染拡大で、デジタルを中心とする生活様式、いわゆる「ニューノーマル」への変化は一気に加速している。不確実で急激な動きに、企業はどう対応していけば良いのか。企業にデジタルイノベーション創出をアドバイスするアイ・ティ・アールの内山悟志会長/エグゼクティブ・アナリストと、日本オラクルの善浪広行執行役員が対談した。

不確実な時代に
求められるデータ利活用とは?

内山 氏
株式会社アイ・ティ・アール
会長/エグゼクティブ・アナリスト
内山悟志
1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。現在は、企業のIT戦略立案・実行およびデジタルイノベーション創出のためのアドバイスやコンサルティングを提供。

善浪:内山さんは、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進や、デジタルイノベーション創出のためのアドバイスやコンサルティングを行っておられますが、今回の新型コロナウイルス感染症の流行は、日本企業によるDXへの取り組みに、どのような変化をもたらしたとご覧になっていますか。

内山:新型コロナウイルス感染症によって、多くの企業はこれから本格化する「アフターデジタル」の世界観を疑似体験したと思います。

 アフターデジタルの世界観とは、数カ月前のように人々の生活や消費の接点のほとんどがリアル(対面)で、たまにオンラインショッピングや楽曲ダウンロードなどのデジタルにつながるような状況ではなく、接点のほとんどがデジタルで、時々、特別な体験としてリアルな接点につながる世界観のことです。アフターコロナの新しい生活様式を 「ニューノーマル」という言葉で言い表すようになってきていますが、アフターデジタルとニューノーマルはほとんど同じ意味と捉えて良いでしょう。

善浪 氏
日本オラクル株式会社
執行役員 事業本部長
クラウド・アプリケーション事業統括
ERP/HCM事業本部
善浪広行
2002年、日本オラクル入社。クラウド・アプリケーション事業統括 アライアンス・チャネル本部長、同 事業開発本部長などを経て17年、クラウド・アプリケーション事業統括 オラクル・デジタル本部長に就任。18年6月、執行役員に就任。

 いずれにしても、多くの日本企業は、やがて本格化するデジタルを中心とした新しい生活様式を垣間見せられて、「DXを本格的に加速させなければ、変化に取り残されてしまう」という強い危機感を抱いたのではないでしょうか。

善浪:全く同感です。新型コロナウイルス感染症の流行前から、日本でもDXに取り組む企業は増えていましたが、ここに来て取り組みが一気に加速したように思います。

 もともとDXの目的は「不確実な時代への対応」ですから、まさに新型コロナウイルス感染症は予測し得ない最悪なことが起こったと言えます。今まで漠然としていた目標。すなわち、経営環境の変化に機敏に対応できる体質やペーパーレスやリモートに対応するといった要件がクリアになりました。これらにいち早く対応できるか否かということがニューノーマル時代の企業の盛衰を分けると言って過言ではないでしょう。

 ニューノーマルに対応するにはDXで目指してきたビジネスデータの持ち方と経営への活用がとても有用であると検証できました。このあたりを深掘りしていきたいと思います。