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業務のデジタル化・リモート化が進む中でいかに人事管理を行うか デロイト トーマツとServiceNowが提唱するデータドリブン人事

リモートワークの常態化とともに、人材評価や管理のあり方が大きく変わってきた。どうすれば「目の前にいない従業員」を適切に評価し、モチベーションを促せるのか。従業員エクスペリエンスをデジタルワークフローで実現するServiceNow Japanの壹岐隆則氏とデロイト トーマツ コンサルティング(以下、DTC)の大無田哲夫氏に聞いた。

リモートワークに求められる
「ピープルマネジメント」

大無田 氏
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
アソシエイトディレクター
HRトランスフォーメーションユニット
大無田哲夫
HR×IT領域のコンサルティングに強みを持ち、人事・タレントマネジメント領域の高度化・効率化戦略策定から業務プロセス設計、システム化構想策定、システム導入まで一気通貫でのサービスを提供。HR領域のシステム構想策定サービスおよびServiceNowによる人事業務変革支援サービスのCo-リーダー。

──新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、従業員の大半をリモートワークにシフトさせる企業が増えています。「目の前にいない従業員」の管理を求められるようになったことで、企業の中でどのような変化が起きているのでしょうか?

大無田:DTCは、新型コロナの感染が急速に広がった2020年4月から計3回にわたり、各企業の取り組みや課題対応、今後の見通しを明らかにする「新型コロナウイルスに対するワークスタイル及び課題対応調査」を実施しました。

 その結果を見ると、「リモートワークを前提とした働き方を実現する上での従業員に関する課題」という問いに対して、81%の回答企業が「リモートワークにおける新しいマネジメントスタイルの確立」を挙げています。

 これまでは、管理職が自分の目の届く範囲で部下を見ながらマネジメントできたわけですが、リモートワークが常態化すると、「働きぶり」が直接見えない状況の中で部下を評価しなければなりません。評価の方法も変わるはずですし、個々に働いている部下のモチベーションを高め、チームとしてまとめ上げていくために、人材管理の方法論も抜本的に見直す必要が出てきていると言えます。

壹岐:言い換えれば、「業務のデジタル化、リモート化が進む中で、いかに人材管理を行うか」ということですね。私も今年に入ってから、30社を超える企業の経営層や人事部門リーダーの方々と会話を重ね、コロナ禍における人材管理の課題をうかがってきました。

壹岐 氏
ServiceNow Japan合同会社
ソリューションセールス統括本部
人事総務ソリューション事業部
事業部長
壹岐隆則
大手コンサルティングファームで10年以上にわたり人事コンサルティングに従事した後、大手小売企業の人事部で労務、人事サービス、総務、デジタルHRの担当部長を歴任。2019年12月より現職。一貫して人事のDXを内外から支援している。

 多くの企業が、人事施策として人事評価制度の見直しやジョブ型人事制度への移行を検討されていますが、共通の課題として浮かび上がってきたのは、「管理すべきことが増えて疲弊している管理職の負担を何とか減らしたい」ということです。

 経営層としては、リモートワークが常態化しても、管理職がチーム全体をしっかりまとめてパフォーマンスを上げてほしいと期待していますし、従業員は、“やる気”を持って仕事に励めるように、オフィスで働かなくても管理と評価はきちんとしてほしいということを管理職に求めています。結果的に管理職の責任と負担が重くなってしまっているのです。

──DTCは人事コンサルティングとともに、様々なHRソリューションを提供していますが、リモートワークの常態化によって、企業が求める人事システムにも変化が表れているのでしょうか。

大無田:従来からの「タレントマネジメント」だけでなく、最近では「ピープルマネジメント」や「チームマネジメント」を促すシステムのニーズが高まっていると感じます。海外ではいち早く導入されてきましたが、新型コロナウイルス感染症によって働き方のリモート化、デジタル化が一気に進んだことで、日本でも導入の動きが広がっています。

リモートワークを前提とした働き方を実現する上での
従業員に関する課題

リモートワークを前提とした働き方を実現する上での従業員に関する課題
81%もの企業が「リモートワークにおける新しいマネジメントスタイルの確立」を課題として挙げている。新しい働き方が進む中で、企業が克服しなければならない課題は多い。