日経ビジネス電子版スペシャル

“人事崩壊”を回避せよ

超人材不足時代を生き抜くには

人事労務業務の効率化がカギ

人材不足が深刻化している今、競争優位を保つために人事の重要性が増している。
近年、導入企業が急速に増加しているクラウド人事労務ソフト業界においてトップシェアを持つ(株)SmartHR取締役最高執行責任者(COO)倉橋隆文氏に、これからの人事部門に必要なことを聞いた。

“人事崩壊”を回避せよ
倉橋隆文氏

人材不足が深刻化している今、競争優位を保つために人事の重要性が増している。近年、導入企業が急速に増加しているクラウド人事労務ソフト業界においてトップシェアを持つ(株)SmartHR取締役最高執行責任者(COO)倉橋隆文氏に、これからの人事部門に必要なことを聞いた。

超人材不足時代を生き抜くには
人事労務業務の効率化がカギ

このままでは人事崩壊

 近年、労働人口減少による人材不足や雇用の流動化が加速している中、企業にとって人が希少資源になりつつある。いかに優秀な人材を獲得し続け、従業員に辞めずに活躍してもらえるかが重要だ。経営者としては人事部を参謀にこの人材不足の荒波をくぐり抜け、事業成長の道筋を描きたいところだが、その人事部が今機能不全に陥りかねない状況なのだ。

 クラウド人事労務ソフトを手掛ける、株式会社SmartHRの取締役最高執行責任者・倉橋隆文氏は多くの企業の人事部を見てそれをひしひしと感じるという。

 「ただでさえ忙しいのに、働き方改革・法改正で早急な対応を迫られています」

 人事部は、給与支払い、入社・退社手続きや年末調整など、煩雑なルーティン作業を抱えており、膨大な時間と労力を要している。それらは定型作業なのだが、正確性が求められ期日までに完了しなければいけない重要な仕事だ。それに加え約70年ぶりの労基法の大改正など、近年の法改正は過去に例を見ないほど高頻度であり、今、人事部は忙殺されているのだ。これでは働き方改革を推進したい人事部が、働き方改革を真っ先に必要とする状態になっている。

 「この状況では生産性向上や従業員の満足度を高めるための真の働き方改革や、優秀な人材を獲得する人材戦略をじっくり考える時間がとれません。理想とする働き方改革を進められている企業は、なかなか無いように思います」

 実際、人事の現場は煩雑な作業を何とかしたいと切望している。だが、そこに大きく立ちはだかる壁がある。「今まで紙やエクセルなどの非効率な方法でやってきて、それで業務が回っているならいいのではないか」そう考える経営者が意外に少なくないからだ。確かに業務は回っている。だが、その陰で、これからの時代の人事部に求められる「攻めの人事」が犠牲になっているのだ。

倉橋 隆文 氏

株式会社SmartHR 取締役最高執行責任者(COO)

倉橋 隆文

1983年生。東京大学理学系研究科修了。2008年よりマッキンゼー&カンパニーにて大手クライアントの経営課題解決に従事。その後ハーバード・ビジネススクールにてMBAを取得。2012年に楽天株式会社に転職し、社長室や海外子会社社長などのポジションで事業成長を推進。2017年7月よりSmartHRに入社、COOを務める。

NEXT では、どこから改善すればいいのか?

NEXT では、どこから改善すればいいのか?