テクノロジーが開く未来を一望「AWS Innovation Week」レビュー

デジタル技術を駆使して、ビジネス競争力の強化や社会課題の解決につなげたい――。このような想いを持つリーダーが、日本でも急速に増えている。そのためのデジタルイノベーションをどう進めるべきなのか。国内外の有識者や企業の経営層が集結し、アイデアを出し合ったのが「AWS Innovation Week」だ。8日間にわたり完全オンラインで開かれたイベントの模様を概括する。

世界中のリーダーがデジタルイノベーションに挑んでいる

アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 技術統括本部長 執行役員 岡嵜 禎氏
アマゾンウェブサービスジャパン株式会社
技術統括本部長
執行役員
岡嵜 禎

Day1(初日)に行われたのはキーノートセッションだ。ナビゲーター役を務めたアマゾン ウェブ サービス(AWS) ジャパンの岡嵜 禎氏は次のように語った。

「イノベーションを起こす方法は企業・組織によって様々であり、決して簡単なことではありません。しかし共通して言えるのは、失敗のコストを下げ、トライアル&エラーを繰り返すことで成功の確度を高める取り組みが不可欠だということです。多くの挑戦の中から、1つでも多くの“成功の種”を見いだしていくことが重要です」

また、先の見えない時代で成長し続けるには、世の中に既に存在する様々なものを再発明(re-invent)する力が必要になる。それには、「発明し続ける」ための強い意志や、「時代の流れには逆らえない」という現状認識、「顧客の真の課題を解決する」という視点など、様々な条件を満たすリーダーシップが求められるという。これらを備えたリーダーが、その企業のイノベーションの旗手になるといえるだろう。

では実際のところ、グローバルではどのようなイノベーションが起きているのか。キーノートではいくつかの事例が紹介された。

1つ目は世界的自動車メーカー、トヨタ自動車の子会社であるウーブン・プラネット・ホールディングスのケースだ。モビリティが目覚ましく進化する時代、ウーブン・プラネットは「ヒト中心の街」「実証実験の街」「未完成の街」をコンセプトとしたスマートシティ「Woven City」の建設に挑んでいる。このWoven Cityの設計に当たっては、デジタル空間に街の複製を再現する「デジタルツイン」によって、道路のレイアウトや建物の構造などを仮想的に検証することで、都市の設計・開発の加速化・最適化につなげているという。

2つ目は、超音速航空機の開発に挑むBoom Supersonic社のケースである。現在の空の旅に存在する「コスト」「時間」「不便さ」「持続可能でないこと」という課題の解決に取り組んでいる。従来は物理的なテスト設備を建設する必要があった流体力学のテストをデジタル化し、膨大な計算をクラウド上のコンピューティングリソースによって実施。これにより、物理テストに比べて多彩なシミュレーションを、安価かつ効率的に実施。近い将来の商用化を目指し、現在も取り組みを続けている。

そして3つ目は、宇宙空間でのものづくりに取り組むRedwire Spaceのケースだ。継続的な宇宙空間への滞在を実現可能にするとともに、地球上では作ることが難しい形状の部品や、素材などを生み出すことを目指している。

同様の事例は国内でも生まれつつある。次ページでは、日本におけるイノベーションの最新動向を紹介していこう。

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