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保険申込書の入力コストが半減 オリックス生命の業務を劇的に改善したAI-OCR「DEEP READ」とは

 コロナ禍によるさらなる業務効率化や、データベース有効活用の観点から、手書きの書類や帳票をデジタル化する動きが広がっている。そのためのツールとして注目されているのが、従来のOCR(光学的文字認識)よりも認識精度の高いAI-OCRだ。オリックス生命保険(以下、オリックス生命)は、保険申込書などの手入力作業をなくすため、EduLab(エデュラボ)のAI-OCR「DEEP READ」(ディープ・リード)を導入。入力コストを半減するなど、大きな効果を得た。
 オリックス生命の業務変革と「DEEP READ」の導入について、オリックス生命保険 お客さまサービス本部 担当部長の中島庸夫氏とEduLab 執行役員 経営戦略室 事業開発グループの松本健成氏に話を伺った。

契約数の増加とともに、増大する業務を効率化したい

中島氏
オリックス生命保険
お客さまサービス本部
担当部長
中島庸夫

 「医療保険新キュア」や「終身保険ライズ」など、分かりやすさと手ごろな保険料を兼ね備えた商品が人気のオリックス生命。

 「CS(顧客満足度)の向上」を経営の重要課題の一つに掲げている同社は、新規契約から更新、契約内容の見直し、保険金・給付金の支払いまでを同一の本部で対応し、加入者のLTV(ライフタイムバリュー)をトータルに高めるサービスを提供している。

 多様化するお客さまのニーズに寄り添った商品づくりやサービス提供によって、オリックス生命の個人向け保険の保有契約数は過去十数年で約10倍に成長した。だが、このような伸長に伴い、様々な自社の課題も見えてきたという。

 「契約数が増えれば、おのずと処理しなければならない業務の量も増大します。サービスの品質を落とすことなく、いかに業務効率化とコスト削減を実現するかということが継続的な課題です」と語るのは、同社 お客さまサービス本部 担当部長の中島庸夫氏である。

 こうした課題の解決に向け、中でも同社が抜本的な変革を目指したのは、お客さまから頂く保険の新規契約申込書や診療明細書といった手書きや印字の書類のデジタルデータ化であった。

 「従来は書類に書かれた内容をすべて手入力していました。BPO(業務の外部委託)の活用やオフショア化でコストを減らしてきましたが、人手がかかる以上、削減効果には限度があります。そこで、人の代わりに機械学習させたAIが文字を識別して入力するAI-OCRに切り替えられないかと考えたのです」(中島氏)

 数あるAI-OCRの中から、オリックス生命が選んだのはEduLabが提供する「DEEP READ」であった。その選定の決め手は何だったのか。