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DXを加速させるシステム開発環境とは

デジタル技術による業務やビジネスを変革する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」は待ったなしの喫緊の経営課題だ。しかし、現状はDXへの対応の遅れが指摘されている。大きな理由はビジネスの変化にシステム開発が追いつかないことにある。この状況を打破するために必要とされているのが、システム開発期間を劇的に短縮する「ローコード開発」であり、システムを進化させていくための「システム内製化」である。それを実現するツールとして注目されているのがマジックソフトウェア・ジャパンのローコード開発プラットフォーム「Magic xpa」(マジック エックスピーエー)である。

日本で30年以上も利用される“超高速”開発ツール

渡辺 剛 氏
マジックソフトウェア・ジャパン株式会社
マーケティング部
部長

渡辺 剛 氏

 DXでは、システムの役割が大きく変わる。省力化やコスト削減を実現する業務の効率化のためのシステムではなく、ビジネスの競争力を高め、新たな価値を創造するためのシステムが求められる。

 当然、システム開発のスタイルも大きく変わってくる。ビジネスアイデアを具現化したシステムを短期間で構築して市場に投入し、市場からのフィードバックを得て、さらに進化させることを繰り返していく。システムは完成して終わりではなく、継続的な改善が始まることになる。

 このシステム開発のスタイルには、従来のウォーターフォール型のシステム開発では対応できない。短期間でシステム開発を展開していくために、開発手法やツールを使って開発者(Development)と運用者(Operations)が密接に連携するDevOpsや機敏かつ柔軟に対応するソフトウェア開発手法のアジャイルを駆使してクラウド上で開発していくことになる。しかもアイデアを即システム化し、継続的に改善していくためにシステムの内製化も必要だ。つまり“超高速”開発環境が求められるのである。

 こうした変化のなかで支持されているのが、マジックソフトウェア・ジャパンが提供するローコード開発プラットフォーム「Magic xpa」である。Magic xpaは、ローコード開発ツールのライセンス販売の実行エンジン型販売実績で5年連続トップシェアを占め、コード生成型を含むライセンス販売実績でもトップシェアを占めている(出典:ミック経済研究所 発刊「DX実現に向けたローコードプラットフォームソリューション市場の現状と展望 2020年度版」)。

 実はこのMagic xpaは新しく登場してきたものではない。日本では30年以上前から利用され続けている。マジックソフトウェア・ジャパンの渡辺 剛氏は「4GL、RADツールと呼び方は変わりましたが、高速にシステムを開発できるツールとして利用され続け、時代のニーズに合わせて進化してきました」と話す。

 親会社のマジックソフトウェア・エンタープライゼスは、1983年にイスラエルで設立され、世界中に24の支社を展開している。日本では約800社以上のパートナー企業があり、導入ユーザー数は4万5000社以上に上り、Magic xpaで開発されたパッケージソフトウェアは300種以上にもなる。

開発環境と実行環境
開発環境と実行環境に分かれたMagic xpa。開発環境は、作ったらすぐ動く、すぐ修正できる。実行環境は、コンパイル不要で即実行できる。
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高い開発効率と高いメンテナンス性

 Magic xpaはパートナービジネスが中心な点が大きな特徴だ。システムインテグレータなどのパートナーがMagic xpaを使って受託したシステムを開発する形だ。「日本独自の要望や仕様を取り込んで対応してきたことで、日本市場に受け入れられてきました」と渡辺氏は語る。

 Magic xpaの最大の特徴はクライアント/サーバー型からWebアプリケーション、モバイルアプリケーションまで、あらゆる形態の業務アプリケーションが開発できることだ。帳票作成やバッチ処理にも対応している。Magic xpaではコーディングは必要ない。開発者はビジネスロジックを考え、業務に必要な処理を定義するだけ。機械的な処理の部分はMagic xpa側が受け持ってくれる。これによって通常のプログラミング開発より2倍から10倍の開発効率が実現される。

 「他のローコード開発と違って、複雑なトランザクション処理に対応できているのも大きな特徴です」と渡辺氏。企業の基幹システムの開発で利用されてきただけに、どんな業務アプリケーションでも対応が可能だ。社内外に分散している様々なシステムやサービスが保有するデータを連携、統合するEAI(Enterprise Application Integration)ツールである「Magic xpi」(マジック エックスピーアイ)を利用すれば、クラウドサービスやERP(統合基幹業務システム)との連携も容易だ。

 しかも、プラットフォームごとの違いをMagic xpaが吸収する実行エンジン型ツールなので、ワンソース・マルチデバイスが実現されている。Windows用に作ったアプリケーションをiOSやAndroidでもネイティブアプリケーションとして稼働させることができる。PC用に開発したアプリケーションがそのままモバイルでも利用できるのだ。

 また、メンテナンスがしやすいのも、DX向けのローコード開発プラットフォームとして支持されている大きな理由だ。リポジトリでアプリケーション全体の情報を統合管理しているので、変更を加えるとどこに影響が出るかが把握でき、データベースが自動的に変更される。手作業での修正が激減し、修正漏れなどを防ぐことができ、アプリケーションのメンテナンスが属人化してしまうリスクの回避にもつながる。

Magic xpaでのアプリケーション開発
Magic xpaでのアプリケーション開発。データベースやOSなどの環境の違いをMagic xpaの実行エンジンが吸収
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コンパイル不要な開発手法
Magic xpaと他社ツールの比較。作ったらすぐ動く、すぐ修正できる。やり直しがしやすい
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信頼できる富士通の国産クラウドでサービス化

高山 美輪子 氏
マジックソフトウェア・ジャパン株式会社
パートナー営業部
アカウントマネージャ

高山 美輪子 氏

 すでに豊富な実績を持つMagic xpaはクラウドでも利用できる。富士通が構築、運用する国産クラウドサービス「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-O」上で約3年前から提供されているのだ。マジックソフトウェア・ジャパンがクラウド基盤にFJcloudを選択するきっかけになったのが、富士通が運営する技術と未来をつなげるコミュニティ「FUJITSU TECH TALK」に参加したことだった。

 「他のクラウド企業はクラウドサービスとパートナー向けプログラムを提供してくれるだけでした。しかし、富士通はクラウドの知見を当社にご提供いただき、一緒にサービスを作ろうというスタンスでした。インフラに強いパートナー企業も紹介してくれて、スムーズにMagic xpa powered by FJcloudをサービス化できました」と渡辺氏は語る。

 クラウド化されたことで引き合いも増えつつある。パートナーにとってもクラウドを利用する前提で商談することが当たり前になった。マジックソフトウェア・ジャパンで営業を手がける高山美輪子氏は「クラウドでの利用ならばインフラ運用の負担が減り、リソースも柔軟に変更できるので、スモールスタートがしやすくなりました」と語る。

 マジックソフトウェア・ジャパンではパートナーやユーザー企業の理解を促すために、クラウドサービスのQ&A集を作成して、2週間程度無償で試せる環境を提供している。「クラウドは使ってみないとわからない。実際に試用してクラウドの良さを実感してもらうようにしました」(渡辺氏)。

 富士通のクラウド基盤に対する評価の高さもビジネス的には追い風だ。国産クラウドとしての信頼度に加え、機能面でも評価は高い。いったん他社のクラウドを導入したパートナー企業が速度に不満があり、FJcloudで試してみたら3倍速かったのでMagic xpa powered by FJcloudに乗り換えたというケースもあるという。

 「システムやネットワークの安定度や速度の割にはコストが安いと思います。他のクラウド提供企業と比べて安いレンジからパフォーマンスが出ることに驚くパートナーやユーザー企業が多いですね」と高山氏。今後顧客への理解が広がるとともに、クラウドベースの商談が増えていくことになりそうだ。

SoRでもSoEでも使える開発環境

 パートナーが提供している300種を超えるパッケージソフトの存在もMagic xpaの強みであり、特定業種で大きなシェアを占めるものが多い。これらも今後はFJcloud上でクラウドサービス化される。中堅中小企業にも大企業レベルのインフラを活用できる機会が広がることになる。しかし、変化はそれだけではない。

 クラウドサービスの商談はこれまで2つのパターンが多かったという。製造業などでモバイルデバイスを活用したいというニーズから入るパターンと、既存のシステムを外部のクラウドサービスと連携させたいというパターンだ。そして最近急速に増えているのが、DXのためのローコード開発を導入したいというパターンである。

 ある企業ではパートナーが伴走する形でローコード開発に取り組み、最初の打ち合わせからわずか1週間でプロトタイプを作成し、ユーザー企業による操作、検証、改善要求と改修を繰り返すスパイラル開発を実施し、3カ月後にはシステムの運用開始にこぎ着けた。実質的な開発期間は1カ月だったという。

 「これまでMagic xpaは基幹システムなどSoR(System of Record)に使われてきましたが、DXのための顧客や取引先との結び付きを強化する、あるいは絆を深めることなどを目的としたSoE(System of Engagement)にも使われるケースが増えてきました」と渡辺氏はローコード開発のニーズの高まりを指摘する。

 SoRでもSoEでも使えるローコード開発プラットフォームとして、Magic xpaの活用シーンはますます増えていくことになるだろう。

渡辺 剛 氏、高山 美輪子 氏
企業情報
イスラエル本社
  • マジックソフトウェア・ジャパン株式会社
  • 設立1998年1月30日登記(1999年2月1日より営業開始)
  • 資本金1億円(マジックソフトウェア・エンタープライゼス100%)
  • 所在地東京都新宿区北新宿二丁目21番1号 新宿フロントタワー24階
  • 代表代表取締役社長 佐藤 敏雄
  • 国内営業拠点9拠点(札幌、仙台、東京、信越、名古屋、大阪、岡山、広島、福岡)
  • 事業内容ローコード開発プラットフォームとデータ連携ソリューションのグローバル・プロバイダーである、マジックソフトウェア・エンタープライゼス(NASDAQ:MGIC)の日本法人。全世界50カ国以上にグローバル展開する同社のテクノロジーは、国内800社以上のパートナーと4万5000社以上の企業が、既存のITリソースを活用し、ビジネスの俊敏性を高め、コアビジネスに注力できる力を提供。
  • URLhttps://www.magicsoftware.com/ja/
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