事業価値を向上させ、発展し続けるために 経営者に求められる「契約」への理解と「契約リスク」の制御

契約締結前に不利な条文や、抜け漏れをAIが洗い出す

「契約書の内容にリスクが潜んでいないかどうかを精査するためには、これまでのように人の知識と経験による作業だけでなく、テクノロジーを活用して効率良く、正確に把握できる仕組みを構築するのが理想的です」と角田氏は言う。

企業が商取引で契約書を交わす機会は、ここ数十年の商習慣の変化や、事業のグローバル化によって格段に増えている。にもかかわらず、法務や契約に関する高い専門性を持った社内人材は限られており、膨大な確認作業をこなしきれなくなっている現状がある。作業が膨大化すれば、おのずと内容の誤認や見落としといった人的ミスも多くなる。

こうした課題を解決するため株式会社LegalForceが提供しているのが、AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」だ。

「LegalForce」は、契約書をアップロードするだけでAIが自動的に内容を読み取り、内容の不備や抜け漏れがないかどうかをチェックし、リスクを網羅的に洗い出すのが大きな特長である。不利な条文の修正や、追加すべき条文などもアドバイスしてくれるので、それらを参考にしながら契約書の内容を修正できる。

角田氏は、「契約書には義務だけでなく権利も書き込めるので、適切に修正することで、自社に利益をもたらすようにすることも可能です」と語る。いかに義務の及ぶ範囲を最小化し、権利を得られる範囲を最大化できるかがポイントだ。

「LegalForce」は、そのポイントを洗い出すことが可能なため、抜け漏れのない契約書レビューを実現するために非常に有効なツールであると言える。

さらに「LegalForce」は、弁護士が作成した500種類以上に及ぶ契約書のひな形を提供しているほか、契約書作成過程のコミュニケーションなどが蓄積されており、ナレッジシェアにも活用できる。ナレッジの共有によって属人化しがちな法務の標準化も図れるだろう。

社内のあらゆる契約書をまとめて管理し、可視化する

前述の通り、契約リスクを制御するためには、契約締結前の契約書レビューと、締結後の契約書の管理が非常に重要だと角田氏は指摘する。

契約に基づく権利や義務は、契約が締結されて初めて発生する。しかし、数年前、あるいは数十年も前に交わされた契約の内容を、しかもそれが膨大な場合、記憶にとどめておくことは非常に難しい。

「数ある契約書のうち、重要な契約書はどれか。締結した契約に不利な条項は紛れ込んでいないか。契約終了・更新拒絶期日は認識しているか。例えばこんな質問をされたとき、どれだけ正確に答えられるでしょうか。過去に締結し、今有効な契約の内容を正確に把握していないことは、重大なリスクとなる可能性があるでしょう」と角田氏は語る。

契約書を保管・整理し、重要な内容はすぐに確認できるようにしておく必要があるが、管理体制についても課題があることが多いという。

「契約書は部門ごとに管理されていて、企業として一元管理されていないケースが多く存在します。大企業の場合は、法務部門が契約内容や契約期限などをデータベース化し、管理体制を築いているようですが、項目の抜き出しや入力をすべて手作業で行っており、過分な業務負担が発生しているようです」と角田氏は語る。

そうした課題を解決するためのソリューションとして、同社は2021年1月に「LegalForceキャビネ」というAI契約書管理システムの提供を開始した。

「LegalForceキャビネ」は、契約書をアップロードすると、当事者名、契約の開始日・終了日など、契約書の情報を自動で抽出してデータベースへ登録、管理できるシステムだ。

「電子契約書はもちろん、紙の契約書もPDF化して保存できます。さらに『LegalForceキャビネ』にアップロードされた契約書は、OCRを使ってテキスト化するので、その内容も検索機能で呼び出すことができます」と角田氏は説明する。

「LegalForceキャビネ」を導入し、契約書をアップロードすることで、企業全体の契約書を簡単に管理でき、契約内容の可視化が実現する。さらに、契約更新期限が迫るとアラートが通知されるため、期限切れによる契約の終了や更新漏れを未然に防ぐことが可能となるわけだ。

角田氏は、「契約を締結するタイミングでは、時間の制約もあって不利な内容をつぶしきれないこともありますが、更新の際に適切な条件で再交渉することも可能です。その意味でも、締結済みの契約書を一元管理し、その内容を可視化しておくことは非常に大切だと言えます。契約書レビューと契約書管理が相互に補完し合うことで、より盤石な契約リスクの管理体制を築くことができるでしょう」とアドバイスする。

「LegalForceキャビネ」のユーザー企業数は提供開始から4カ月で100社を突破。また、「LegalForce」は21年7月時点で1000社を超えるという。同社は、今後使い勝手や機能のさらなる改善を図っていく方針だ。角田氏は、「これからも有効なソリューションの提供を通じて、企業の契約にまつわるリスク管理をサポートしていきます」と抱負を語る。

契約ライフサイクルに応じた、リスク管理体制を構築
画像:作成・レビュー、締結、契約管理
契約リスクを抑制するには、契約書の作成・審査を厳格に行うだけでなく、締結した契約書をしっかり管理することも重要

最後に、角田氏は次のように語る。「契約はビジネスの全体像を可視化するための地図であり、それを可視化し、管理しておくことは不可欠です。足元をすくわれないように守りを固め、契約を有効活用してビジネスで利益を出す攻めの一手を打つためにも、経営目線で契約リスクを制御していきましょう」。

不確実性が増す時代、「LegalForce」や「LegalForceキャビネ」といったテクノロジーを用いて契約リスクを適切に制御することが、企業の事業価値の向上や発展につながっていくだろう。

ロゴ:株式会社LegalForce

株式会社LegalForce

https://www.legalforce.co.jp/