LegalForce 導入事例

“人にしかできない仕事”に専念して法務への期待に応える 契約書レビューの精度と効率が向上 JT法務部門がDXを実現した方法とは

日本発のリーガルテックをいち早く導入

写真:日本たばこ産業株式会社 たばこ事業本部 事業企画室 課長代理 太田 皓士氏

日本たばこ産業株式会社
たばこ事業本部 事業企画室 課長代理

太田 皓士

たばこ事業本部の法務チームでは、現在、稲村氏を含む8人のメンバーが法務に関する幅広い業務を行っている。経験を積んだプロパー人材の他、外部の法務スペシャリストも積極的に中途採用して業務に当たっているが、法規制やコンプライアンスへの要求が厳しくなる中で、メンバーの業務量は日増しに高まっていたという。

そうした中、稲村氏は業務のかなりの割合を占める契約書レビューを省力化してくれるリーガルテック(法務関連のデジタルテクノロジーソリューション)が開発されたという情報を、2018年春ごろに耳にした。それが「LegalForce」であった。

「当時、リーガルテックは米国で先行しておりましたが、今後日本でも普及が進むと予想していました。すぐに開発企業のLegalForceにアポイントを取り、CEOに直接話を聞いた上で、開発途中段階のベータ版を使ってみることにしました」(稲村氏)

「LegalForce」は、契約書の内容をAIが自動的にレビューし、法令に抵触する可能性のある内容や、自社側に不利になりかねない条文を洗い出してくれるクラウド型のソフトウエア(SaaS)である。リスクの指摘だけでなく、修正文例や解説文も表示できるので、相手方から送られてきた契約書や、自社で作成した契約書のファーストレビューを大幅に省力化できる。

また、参照したい過去の契約書や自社のひな型についても、関連するキーワードを入力すれば、該当する契約書の条文がすぐに見つけ出せる条文検索機能も用意されている。これらを使えば、多忙なメンバーの業務負荷を低減し、危機管理対応などAIでは代替が難しい、非定型的な業務に人的資源を最適配置できるのではないかと稲村氏は考えた。

こうして2019年1月に「LegalForce」のベータ版を導入。さらに、法律事務所からJTに転職し、テクノロジーに対する関心も高かった現たばこ事業本部 事業企画室 課長代理の太田皓士氏を法務チームにおけるDX推進プロジェクトのリーダーに任命し、日々の業務に採り入れたという。

より重要な業務に人的資源を再配置

当初のベータ版では、自動レビュー機能が対応している契約書の種類が少なかったり、格納されているひな型の種類が少なかったりと、課題は少なくなかったという。しかし、導入から3カ月後の2019年4月に正式版がリリースされ、その後も高頻度で行われているバージョンアップにより、機能は飛躍的に改善された。

「ある日、ネットワークに接続できず、『LegalForce』が一時的に使えなくなったのですが、契約書作成やレビューの作業に手間がかかると感じました。知らない間にどれだけ業務のプロセスに組み込まれていたのかを実感した瞬間でした」と太田氏は振り返る。

稲村氏は、「当初は実務でうまく機能してくれるか不安もありましたが、『LegalForce』の機能が短期間でどんどん進化していくのには、目を見張りました。追加される新機能をキャッチアップし、現在まで使用を継続しています」と語る。

太田氏は「LegalForce」の自動レビュー機能について、「抜け漏れなど、見落としやすい点まで洗い出してくれるので非常に助かっています。とくに見慣れない類型の契約書では、どこにリスクが潜んでいるか、抜け漏れはないかなどの確認作業にも多くの時間を要します。そうした場合でも、『LegalForce』は注意すべき箇所を洗い出してくれるので、作業時間の短縮とともにレビュー精度が上がるので頼もしいですね。各法律を改めて調べるきっかけにもなりました」と語る。

画像:作成・レビュー、締結、契約管理
JTのたばこ事業本部の法務チームは、「LegalForce」の「Wordアドイン」機能を活用している。契約書などのWordファイルを開くと、そのウィンドウ上で「LegalForce」の自動レビューや条文検索などが使える機能だ。「『LegalForce』のブラウザー画面を開かなくても、Wordの画面で作業が完結できるので非常に助かります」と太田氏

現在、JTではコロナ禍によってテレワーク可能な職場では7割以上の社員は在宅勤務を行っているが、こうした状況下に法務チームも即座に対応できたのも、以前より「LegalForce」を活用していたことが大きいと稲村氏は話す。「自宅にいながらでも必要な契約書をすぐに取り出せることはもちろん、クラウド上で業務を行う環境に慣れていたことが、業務の継続性、生産性に大きく寄与したと考えています」。

こうした活用法は、導入プロジェクトのリーダーである太田氏が様々な機能を試し、他のメンバーと共有している。稲村氏は、「ソリューションは導入すれば効果が上がるというものではなく、どのような問題を解決したいか、どうすれば自社の役に立つか、実際にどう活用していくかを組み立てなければなりません。推進役となるリーダーが活用を促すことも重要でしょう。当チームの場合は、太田が積極的に関与してくれたおかげで契約書レビュー業務が大幅に省力化され、その分、より重要な“人にしかできない業務”に注力できるようになりました」と語る。

法務チームにおける導入効果を評価したJTは、コーポレートの法務部門でも「LegalForce」の本格導入に向けた検証を進めている。稲村氏は「ゆくゆくは各支社の法務担当にも活用してもらい、本社の法務部門はJT及びグループ全体の法務リスクをコントロールする業務により専念できるような体制にしたい」とビジョンを描く。

「テクノロジーの導入初期は、以前の作業手順のほうが楽だと感じ、一時的に作業効率が下がるかもしれませんが、自分たちが見立てたものを信じて、長く使い続けることが、DX成功の条件ではないでしょうか」と稲村氏。法務への期待がかつてないほど高まる中で、JT法務部門のDXへの挑戦は続く。

ロゴ:株式会社LegalForce

株式会社LegalForce

https://www.legalforce.co.jp/