日経ビジネス電子版 SPECIAL

special interview顧客中心主義のアプローチは
企業の成長をけん引するエンジン
魅力的な新サービスや料金プランの提供だけでなく、
顧客体験の数値化で顧客ロイヤルティ向上に挑むソフトバンク

David Lambert氏

近年、「顧客ロイヤルティ」という概念に注目する企業が増えている。しかし、先進国の中でも、日本企業の取り組みは立ち遅れているという指摘も多い。それは、顧客対応という定性的な業務の数値化が難しく、評価分析ができない点にあるという。顧客ロイヤルティ向上に挑戦するソフトバンク コンシューマ事業統括営業戦略本部の高洲史弥氏と、その取り組みをサポートしているMedallia シニア・カスタマーエクスペリエンス・プリンシパル 日本およびアジアパシフィックのDavid Lambert氏に顧客ロイヤルティの重要性と取り組みについて話を聞いた。

高洲 史弥氏
  • David Lambert氏
  • 高洲 史弥氏

価格競争が激しい業界で
さらなる差別化を模索

あらゆる業界で顧客体験の重要性が指摘されている。しかし、その改善を組織的に実行し、継続的な効果を上げるにはどうしたらいいのか、悩む企業は少なくない。

ソフトバンクの携帯電話部門も、この悩みを抱えていた。携帯電話業界は限られたプレーヤーがしのぎを削る競争の激しい業界で、日常的に価格競争にさらされている。一方で、インフラやサービスでも大きな違いを出すことが難しい。「従来から料金やサービスなどで差別化を図ってきましたが、さらにソフトバンクファンを増やしていくには顧客満足度の向上が必要でした」とソフトバンクの高洲史弥氏は語る。利用する携帯キャリアを決めるに当たり、価格を最優先にされる人は、MVNOを選ぶため、MNOとして高品質なサービスに加え、より良い顧客体験の提供が求められている。

高洲 史弥氏
ソフトバンク株式会社
コンシューマ事業統括営業戦略本部 執行役員本部長
高洲 史弥

顧客に長く利用してもらうには、顧客から信頼され、愛される企業――すなわち「顧客ロイヤルティ」の向上が必要だった。その方法を模索しているうち、当時ソフトバンクグループが買収していた米国のSprint社の携帯電話販売現場が、「NPS(ネットプロモータースコア)」を活用して顧客ロイヤルティを向上させていることを知る。

「当時は、NPSについて当社の人間はほぼ知らない状況でした。販売力には自信を持っていて、お客様の声も当然集めていましたが、何が重要なのかを客観的に測る仕組みはなく、単純に数が多いなど『大きな声』だけが社内で共有される仕組みでした」(高洲氏)

同社では全国に約3000店舗のキャリアショップを運営しており、2万人のクルー(販売員)が日々顧客の応対をしている。NPSの導入は、この顧客ロイヤルティの最前線から実施すべきだと判断し、まず50のショップでテスト導入を実施した。また、顧客ロイヤルティを測るツールの選定は、グループ企業だったSprint社やビジネスパートナーなどの意見を聞き、Medalliaのソリューションを選定した。

softbank店舗
  • コールセンターだけでなく、全国のソフトバンクショップにもMedalliaを導入。各クルーが自発的にフィードバックコールやハドルミーティングを行い、顧客ロイヤルティの向上に努める習慣が定着している。
NEXTクルーから寄せられた100以上の
カスタマイゼーション要望の意味

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