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海外子会社との 連結経営管理を高度化 グローバル経営基盤で「攻め」転じるミスターミニット

日本を含むアジア5カ国に靴修理店を展開する「ミニット・アジア・パシフィック」は、4つある海外子会社の決算処理を毎月手作業で行っていた。増え続ける作業負担を改善し、より戦略的な業務に邁進するため、「Oracle Fusion Cloud Enterprise Performance Management(EPM)」を導入した。同社のキーマンが語るグローバル連結経営管理における課題と解決策とは。

欧州発の修理工房として日本上陸
現在は独立しアジアを統括

佐々木氏
ミニット·アジア·パシフィック株式会社
経営企画部長
佐々木 謙一

 ミスターミニットは、1957年にベルギーで創業した靴修理業の会社だ。その後ヨーロッパ、アジアに進出し、1972年に日本法人を設立。以来日本でも街角にある靴修理や合カギの店として広く知られている。

 日本法人は2006年にMBO(Management Buyout:経営陣買収)によってベルギー本社から独立し、他のアジア地域の拠点を統括する「ミニット・アジア・パシフィック」として活動している。

 「事業の中心は女性用のヒール修理でしたが、現在は『サービスのコンビニ』として、複雑な合カギの作製、時計の修理や電池交換、スニーカーやかばんの修理など、手仕事による幅広いリペアサービスを提供しています」。そう語るのは経営企画部長の佐々木謙一氏だ。

 国内に約300店舗を有し、海外は、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシアの4拠点に約350店舗を展開し、合計650店舗を運営している。

 「海外子会社は、もともと日本とは兄弟会社の関係だった拠点のため、日本人の従業員はいません。そのため、一般的な日本企業の海外子会社とは大きく事情が異なるかもしれません」(佐々木氏)

 また、日本は都市型の小型店舗で靴の修理が中心だが、例えばオーストラリアは、郊外のショッピングセンター内の店舗が多く、靴よりも合カギの作製や時計の電池交換などが多い。国により店舗の形態やサービス内容にも違いがある。

 ミニット·アジア·パシフィック全体の経理を統括する佐々木氏のもとには国内、海外子会社の全ての月次決算が集められ、集計して親会社である青山商事にレポ―ティングしている。

 佐々木氏が同社に入社したのは2018年。前職の経験から、連結決算はシステムで行うのが当たり前だと思っていた。しかし、同社では海外子会社の決算を毎月エクセルで集計していた。さらに、連結決算業務の担当者が退職することになり、本来管理会計の役割であった佐々木氏がその仕事も担当することになった。

 膨れ上がる作業をどのように改善し、海外との連結決済の課題を解決したのか? 次ページから詳しく見ていこう。