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製造業大変革時代を勝ち抜く! 今こそ挑戦、日本型モノづくりDX

ガソリン計量機などを製造するタツノは、エネルギー需要の変化に対応して製品やビジネスモデルを変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進。その基盤として、基幹業務システムを最先端のクラウドERPに刷新することを決めた。なぜ、DX推進のためには基盤の刷新が不可欠なのか? 同社の龍野廣道代表取締役社長と佐々木雅雄IT推進室室長に、日本オラクルの中島 透氏が聞いた。

変化を俊敏に読み解きながら、
柔軟に対応できる仕組みを整えたい

中島  タツノ様は、ガソリンスタンドに設置されるガソリン計量機のトップメーカーとして知られていますね。

龍野氏
株式会社タツノ
代表取締役社長
龍野 廣道
1971年に慶応義塾大学商学部卒業後、日本興業銀行に入行。81年、東京タツノ(現・タツノ)に入社。東京第二支店長、営業本部長を歴任。86年5月、代表取締役社長に就任し、現在に至る。

龍野  当社は1911年に創立し、大正時代の初めからガソリン計量機を製造してきました。現在では国内シェア65%の実績を誇ります。「モノづくり」の他に、ガソリンスタンドや油槽所、工場用プラントの設計・施工、危険物施設などの土壌環境保全といったエンジニアリング事業も手掛けています。

中島  主要先進国に続き、日本政府も2050年までに国内の温室効果ガス排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル宣言」を行ったことで、化石エネルギーを再生可能エネルギーに転換させる動きは、今後ますます加速すると思います。

龍野  すでに20年以上前に水素ステーション用の計量機を開発し、給油時に発生するガソリンベーパー(蒸発ガス)を液化して回収する装置を提供するなど、エネルギー需要の変化に対応した製品づくりやビジネスモデルの変革を行ってきました。

 変化は今後ますます加速するはずなので、新しい動きをタイムリーに捉えながら、当社も変わり続けていかなければなりません。

 とはいえ、脱炭素化が一気に進むわけではなく、当面はガソリンと、水素、電気(EV)などが併用されるマルチエネルギーの時代になると思われます。いずれ、脱炭素エネルギーのどれかが未来の主流になるはずですが、今の段階でそれを予想することはできません。

 ですから、変化を俊敏に読み解きながら、柔軟に対応できる仕組みを整えていきたい。その仕組み作りこそが、今タツノが取り組もうとしているDXの根幹です。