山下:本日はよろしくお願いします。NECとServiceNowとのお付き合いは2019年に始まり、社外向けのソリューションを一緒に提供するだけでなく、NECの社内DXもお手伝いさせていただいております。中田さんは、社内DXを統括する経営システム本部を率いておられますので、後ほどNECの社内DXへの取り組みについて詳しくお聞かせください。
その前に、まずはコロナ禍によるビジネス環境の変化をNECはどのように捉え、どう向き合っていこうと考えていらっしゃるのかお話しいただけますか?
中田:ありがとうございます。ご指摘の通り、コロナ禍によって私たちの生活様式や企業活動のあり方、産業構造などは大きく変化しました。対面や接触の機会が減り、リアルとオンラインを併用しながらコミュニケーションを取らざるを得ない状況が訪れるなどというのは、これまでは想像ができなかったことです。
こうした生活環境やビジネス環境の変化を踏まえ、NECは2021年5月に発表した2025中期経営計画で、改めて「Purpose経営」を強く打ち出しました。
当社のPurpose(パーパス、企業としての存在意義)は、「NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します」というものです。
このPurposeを再確認し、変化の激しい時代の中で当社に求められているサービスのあり方をもう一度考え直してみようということが、新中計の柱になっています。
山下:提供すべきサービスのあり方も変わってきているということですね。ServiceNowも「人にしかできない付加価値の高い新しい仕事を創造する」というPurposeの下、様々なソリューションを提供させていただいております。変化の激しい時代に一丸となって課題に挑めるようにするためには、会社全体をまとめ上げるPurposeは不可欠だと思います。
中田:おっしゃる通りです。当社のお客様からは、「DXに特化した提案などもしてほしい」「早くて、効率的なアジャイル開発手法等の提案もしてほしい」といった期待が寄せられており、適切にお応えできなければ生き残れないという危機感を抱いています。
こうしたニーズの変化に対応して、NECはビジネスを大きく変えようとしています。
従来は個別の製品やサービス、お客様ごとに個別のSI(システムインテグレーション)を提供するのが主なビジネスでしたが、個別最適から全体最適へとベース事業を変革し、サービス型、オファリング等による価値提供型へとビジネスモデルの転換を図っています。
山下:時代の変化に対応して、ビジネスそのものを根底から、アジャイルに変革していこうという意気込みが感じられますね。
ところで、NEC自身も変化を先取りして社内DXを積極的に推進しているとうかがっています。そのあたりのお話を詳しく聞かせてください。