日経ビジネス電子版 Special

デジタルプラットフォームがもたらす企業変革 自動化で変わるビジネスの未来

日本企業の労働生産性を高め、よりクリティカルな仕事に「人の力」を集中させるためには、業務の「デジタル化」と「自動化」が欠かせない。では、どうすればそれを実現できるのか。45年続く「宅急便」のDXを進めるヤマト運輸の中林紀彦氏と、業務自動化のためのデジタルプラットフォームを提供するServiceNow Japanの高山勇喜氏に、フリーアナウンサーの長谷部真奈見氏が聞いた。

デジタル化・自動化に取り組むべき
本質的な理由とは?

長谷部:業務の「デジタル化」「自動化」というキーワードはここ数年、盛んに取り上げられており、「取り組まなければならないのではないか」と漠然と考えている企業経営者は多いと思います。今、日本企業が「デジタル化」と「自動化」に取り組むべき本質的な理由は何だと思われますか。

高山:「デジタル化」と「自動化」は、DX(デジタルトランスフォーメーション)という大きな潮流の中でも、とくに重要な取り組みだと思っています。ご承知のように、日本は少子高齢化と、それに伴う人口減少が加速しており、機械にできることは機械に任せるようにしないと、生産力がどんどん衰えてしまうからです。

 ただでさえ、日本企業の労働生産性は海外に比べて低いわけですが、これも業務の「デジタル化」と「自動化」が進んでいないことが大きな原因の一つです。生産性が上がらず、労働力もどんどん減っていくとなると、とても海外企業には太刀打ちできません。

中林氏
ヤマト運輸株式会社
執行役員
デジタル機能本部 デジタルデータ戦略担当
中林 紀彦
日本アイ・ビー・エムでデータサイエンティストとして顧客のデータ分析をサポート。2019年8月にヤマトホールディングス入社。21年4月から現職。筑波大学大学院客員准教授、データサイエンティスト協会理事としてデータサイエンスの人材育成にも従事する。
髙山氏
ServiceNow Japan合同会社
執行役員
ソリューションセールス統括本部 統括本部長
高山 勇喜
監査法人系ソフトウェア開発会社を経て、1996年 SAPジャパンに入社。会計コンサルタント、プロジェクトマネージャー、営業部長職などを経て、2015年、ハイブリス事業本部 事業本部長に就任。同社のほぼすべての業種および製品の販売に従事。18年10月より現職。

中林:ヤマト運輸は、業務の効率化に加え、「宅急便」をはじめとする商品・サービスの利便性を向上し、社会的インフラとしてお客さまの信頼と満足を高めるために「デジタル化」に取り組んでいます。

 当社は2019年に創業100周年を迎えました。「宅急便」は1976年に開始し、今年で45年が経ちます。これまでは主にセールスドライバーや車両、拠点ネットワークといったフィジカルリソース(物理的資源)の整備によってサービス向上を進めてきました。

 しかし、CtoC(個人対個人)の宅配から、BtoB(企業対企業)、そしてECに代表されるBtoCとニーズが広がり、宅配便の利便性に対する期待がますます高まるにつれ、フィジカルな配送にデジタルの仕組みを融合させたサービスのあり方が求められるようになりました。

 これに対応し、2020年1月に次の100年を見据えた経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」を発表しました。その中で、DXによる物流オペレーションの効率化・標準化とともに、「お客さまの立場で考え、スピーディーに応える」ことを基本戦略として掲げています。2021年1月に中期経営計画「Oneヤマト2023」を発表しました。

長谷部:なるほど。「デジタル化」「自動化」は、業務を効率化するだけでなく、サービスの利便性や企業価値を高める力も生み出すわけですね。