日経ビジネス電子版 SPECIAL

メタバース進出のために企業が今やるべきこと
3Dの活用が業務と顧客体験に
変革をもたらす

インターネット上の仮想空間「メタバース」。トレンドワードとして多くのメディアが取り上げており、注目と期待が急激に高まっている。企業にとって、メタバースは新たなフロンティアになり得るのか。そして、開拓者として勝ち抜くには、どういった備えが必要なのか。アドビでクリエイティブ全般の製品戦略に携わる宇野香織氏に聞いた。

メタバースはより豊かな顧客体験を
届けるための機能拡張

メタバースという言葉自体を耳にした人は多いだろう。メタバースとは、一般的に3Dで作られた共有没入型環境を指すが、アドビの言葉を拝借すると、AR(拡張現実)・VR(仮想現実)・MR(複合現実)などリッチなインタラクティブ体験ができる没⼊型環境で、同じ物理的空間にいなくとも他者と共同体験ができる場所だ。

宇野香織氏は「テクノロジーの進化でデジタル空間に誕生した、もう一つの世界。Webの進化であり、より豊かな体験を届けるための機能拡張と考えます」と語る。そして、「そこに新たな経済圏が生まれ、企業にとってはビジネス拡大の、クリエイターにとっては新たな活躍としてのチャンスが訪れます」と続けた。

現在はメディア・エンタテインメント領域が主流だが、メーカーやサービス業でもそのニーズは徐々に高まりつつある。そんなメタバースに参入することで、企業やブランドにはどういったメリットがあるのか。宇野氏は「製品開発」と「顧客体験」の両面から指摘する。

まず、製品開発におけるメリットだ。

「すでに、3D内でバーチャルなプロトタイプを作成してテストを重ねるといった手法を取り入れている企業もあります。バーチャルなプロトタイプをメタバース内で顧客に体験してもらい、そのデータを反映した製品をリアル世界で展開するといった仕組みです」(宇野氏)

そして、顧客体験におけるメリットだ。宇野氏は、「メタバースは究極のコト消費」だと言う。

「時代はモノ消費からコト消費に移っています。そこで重要になるのは、顧客行動をしっかりと把握して、製品やサービスの最適化を図る活動です。メタバースはデジタル空間なので、顧客とのタッチポイントはリアル空間よりも格段に多く、行動のトラッキングもしやすい。そこから精度の高い顧客情報が得られて、本当に顧客が求める製品やサービスの開発と展開につながります」(宇野氏)

3D導入がもたらす効果
企業が3Dを導入することで、実サンプルを制作する商品開発は減少。作業コストは削減され、マーケットへの展開も早くなる。また、環境への貢献にもつながる。顧客はパーソナライズが容易になったり、AR/VRといった新たな接点もできたりすることで、新しい購買体験が生まれる

製品開発や顧客体験という観点からも、メタバースを視野に入れ準備しておくことは重要なことが分かる。次ページでは、メタバースを導入した国内外の成功事例と、それを支えるアドビの製品を紹介。そして、メタバースを見据える企業が、すぐに着手すべきことをひも解く。

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Amazonやカシオの成功事例を紹介。
メタバース本格化の時代に向け、
企業が準備しておくこととは?

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