予算計画、分析業務の変革の時 煩雑な計画業務からの解放を実現しビジネス環境の激変に打ち勝つ

SAP ジャパン株式会社 高橋 正樹氏

企業の予算計画や業績分析の業務は長い間、現場部門と本社部門との間で手作業によってデータをやり取りすることで、かろうじて維持されていた。だが、内外のビジネス環境の急変に対応するためには、情報の一元化とリアルタイムな意思決定を支援するシステムの導入が不可欠となっている。全社対応の業績管理・分析システムにはどのような機能が求められているのか。

企業の予算計画業務は
なぜアナログ作業が続いてきたのか

SAP ジャパン株式会社
ソリューション事業推進部
シニアビジネスデベロップメント
SAP Business Technology Platform

高橋 正樹

自社のビジョンを掲げ、3カ年、5カ年の中期経営計画を策定する。そしてそれを単年度の目標値としてどこまで狙うかを決め、1年ごとの事業を進める。また、各部門、地域にも細分化された目標が予算として設定され共有される――。これが企業の予算策定までの通常の流れだ。もちろん策定時には、上層部からの指示だけでなく現場からのコストや需要の見込みなどが報告され、調整が図られた上で各部門が経営と合意して予算が設定される。

無事に予算が組まれ事業年度がスタートすれば、今度は逆に設定された目標値に対しての進捗が報告され、実績値の積み上げが始まる。予算に対して部門ごとに予算と実績(予実)が集約され経営層に報告される。年度末に目標値の達成が難しい部門が判明すれば、分析と対策を行い事業計画の達成を目指していく。

予算計画と予実の管理は企業にとって極めて重要な業務だが、実は多くの企業ではこれら一連の業務プロセスの大半を人の手によって行っているというのだ。

典型的な予算策定のプロセスは次のようになっている。まず各部門で前年度の売り上げや経費の実績値を基幹システムからダウンロードしスプレッドシートにまとめる。各部門からバラバラのシートが経理部門や経営企画部門に集められ、それをまた別のスプレッドシートとして集約する。こうしてまとめられた実績値から予算を策定し、再び各部門に戻していく。年度途中の予実の管理も、同じようにスプレッドシートのやり取りで進められる。人手による作業はミスの可能性もあり、一部門でも締め切りに遅れると全部の集計ができない。

なぜこのような手間がかかっているのだろうか。数多くの企業に対して、予算計画業務のソリューションを提案してきたSAP ジャパン ソリューション事業推進部の高橋正樹氏は、その理由を次のように述べる。

「企業の予算編成に関するITのソリューションは10年以上前から存在していました。ですが、データ活用が進まない企業では、これらのデータに対する関心や重要性の理解が十分でなく、そのためこの業務に関してシステムで対応すべきという判断が下せないまま、大半は人海戦術で予算を策定し進捗を管理しているのです」。とくに日本企業はその傾向が強かったという。

しかし、ビジネスを取り巻く環境が激しく変化し、グローバルレベルの最適化やデジタルトランスフォーメーションが求められる昨今、ようやくそういった企業にも予算計画と業績管理についてシステム化しなければいけないという気運が高まっているという。

企業が激変する環境に打ち勝つための予算計画と分析に求められる条件とは何か。またどのようなソリューションを導入すればいいのか。次のページで、高橋氏に詳しく聞いていく。

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