小売り世界最大手の某米国企業は、自前の物流インフラを構築する「物流企業」でもある。物流センターではロボッ
トが作業するだけでなく、ドローンによる配送も展開し、すでに全米の1000都市超で即時配送のサービスを行う。2026年までには全米の店舗の65%に自動配送システムを導入する予定だ。
『Logistics is Mathematics(物流は数学)』――。同社では、物流をそう定義しているという。経験や勘に頼るのではなく、数字やデータを起点にするということだ。この考えを実践し、同社のグローバルチームで物流のオートメーション化を推進した人物がラメッシュ・チッカラ氏だ。
物流の効率化を支援するHacobuは、2023年6月にラメッシュ氏を招き、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの田岡佑一郎氏と共に物流の未来とその対策についてオンラインセミナーを開催した。本記事は当日の講演内容を基に、世界的企業で物流トップを務めた人物がいま、どんな物流の未来を描いているかについて紹介する。
「2024年問題」を目前に控え、政府が策定した「物流革新に向けた政策パッケージ」によって緊急に取り組むべき対策が明らかになった。しかし「2024年問題」は、乗り越えれば終わる一過性の課題ではない。社会情勢や技術革新による変化を見据えながら、各社がそれぞれに持続的な戦略を立てる必要がある。同社を世界的な「物流企業」に育てたラメッシュ氏が描く未来予想図は、多くの荷主・物流事業者にとって、戦略立案の道しるべになるはずだ。