PR

全社システムの移行を完遂!そのノウハウで日本企業を支援

IBMからスピンオフして誕生したキンドリルは、2023年11月に全社のシステムの移行プロジェクトを完了した。ITインフラをすべてクラウドに切り替えるとともに、レガシーなアプリケーションを大幅に削減することで、約9万人のスタートアップにふさわしいIT環境を整えた。この大規模なトランスフォーメーションはどのようにして実現できたのか、それによって得られたものは何か。キンドリルジャパン専務執行役員の松本紗代子氏とカスタマー・エンタープライズ・アーキテクト部長の河合琢磨氏に話を聞いた。

約9万人のスタートアップに
ふさわしいIT環境を目指す

――全社システム移行プロジェクトを断行した背景を教えてください。

松本 紗代子 氏 キンドリルジャパン株式会社
専務執行役員 プラクティス事業本部長 兼
インクルージョン・ダイバーシティ&エクイティ担当
松本 紗代子

松本 分社化の際にキンドリルはIBMと移行期間中のサービス提供に関する契約(TSA)を締結し、IBMのプラットフォームとアプリケーションの使用をすべて終了す るための期限が上場から2年の2023年11月と定められました。非常に大きなチャレンジではありましたが、これまでのレガシーなシステムでは私たちが作ろうとしている最新の組織のあり方には対応できないと考え、“約9万人のスタートアップ”にふさわしい新たな無駄がなくモダンで安全なIT環境へと切り替えることを目指したのです。結果として、2年間という短期間で私たちが目指す会社の姿に合わせてアーキテクチャーを簡素化し、レガシーシステムを大幅にモダナイズするという意欲的なチャレンジをやり遂げることができました。

 徹底的にシンプル化を目指した結果、1800以上あったビジネスアプリケーションは360以下となり、人事、購買、請求発注関連アプリケーションは435からWorkdayとSAPの2つのプラットフォームに統合されました。データセンター拠点は54から4に、68あったデータ/ソリューションウエアハウスは1つのデータプラットフォームに集約しました。

 もちろんすべてがスムーズに行えたわけではありません。SAPは全世界67カ国で2回に分けて導入を進めましたが、途中で黄色信号が点灯してスケジュールの見直しを余儀なくされることが何度もありました。実は期限まで1年切った時点では黄色信号と赤信号のプロジェクトばかりだったのです。

キンドリルが達成したモダナイゼーションとシンプル化
キンドリルが達成したモダナイゼーションとシンプル化
[画像のクリックで拡大表示]

IT変革と並行して進めた
社内カルチャーの変革

――困難を乗り越えられたポイントは何だったのでしょうか。

河合 CIOオフィスの推進力が重要でした。CIO(最高情報責任者)の下にエンタープライズ・アーキテクトのチームがあり、ビジネスのあるべき姿からテクノロジー面をリードし、無駄を省いてスリム化を図り、データ中心に意思決定できるようにアーキテクチャーのプリンシプル、原理原則を確立しました。

 プリンシプルの下、データを一元化し、プラットフォームを統一することで、基幹系アプリケーション150本をSAP1本に、人事系アプリケーション約80本をWorkday1本に集約することに成功しました。1800本あったビジネスアプリケーションは基本的には廃止を前提に一本一本精査し、安易にクラウドにリフト&シフトするということはせずに、必要なものはすべて作り替えていきました。今でもその作業は続いており、現時点で300本近くにまで減っています。

河合 琢磨 氏 キンドリルジャパン株式会社
テクノロジーイノベーション本部
カスタマー・エンタープライズ・アーキテクト
部長
シニア・アーキテクト
河合 琢磨

松本 CIOオフィスを支えるトップマネジメントの結束も大きな力になりました。CEO(最高経営責任者)がコミットメントして、CIOを中心にCOO(最高執行責任者)、CFO(最高財務責任者)、CHRO(最高人事責任者)がC×Oチームを構成し、それぞれがSAPやWorkdayへの移行をアジャイルで進めていきました。トップマネジメントから不退転の決意が伝わってきました。

 ITの変革と並行して、社員全員で共有できる明確なパーパス、行動指針、価値観を定めた「Kyndryl Way」を定着させ、社内カルチャーの変革に取り組んだことも大きなポイントです。創業時から培ってきたこの強いカルチャーがあったからこそ、短期間で全社員の意思が統一でき、今回のように会社の変革とITインフラの変革を同時に成し遂げようとする中でも、重要な決断を次々と下すことができました。

 Kyndryl Wayは、私たちがお客様やパートナーと共感しながら進化し続ける「Restless」、共感する「Empathetic」、尽力する「Devoted」と、意思決定や組織のあり方を定義する「フラット」「ファスト」「フォーカス」の「RED+3F」で構成されたシンプルで分かりやすいものです。これを全員参加型で時間をかけて定着させ、今でもその取り組みを絶え間なく続けています。

5つのプリンシプルを掲げて
ぶれない全面刷新を断行

――エンジニアの視点から見て、今回の移行プロジェクトで優れていたのはどういう点でしょうか

河合 企業システムというものの全容を理解しているエンタープライズ・アーキテクトたちがプロジェクト全体をマネージしていたことです。その土台になっているのが、会社としての方向性を定めた5つのプリンシプルです。

 データのサイロではなく企業を可視化する「データ中心」、個別ソリューションではなく戦略的ビジネスプラットフォームを展開する「プラットフォームファースト」、100%クラウドベースで運用する「クラウドベース」、マニュアル作業ではなく自動化する「自動化主導」、境界防御ではなくきめ細かに認証する「ゼロトラスト」の5つです。

 このプリンシプルに沿ってプラットフォームベースのアプローチを行い、アーキテクチャーファーストの原則を守ることで、データに基づく意思決定を行い、運用コストを削減することができます。

――プラットフォームはどういう基準で選定したのでしょうか。

松本 IBMから離れたことで、私たちは製品を持たない人だけの企業になりました。新たにキンドリルになったことで獲得することができた強力なアライアンスとパートナーシップによって、よりお客様視点でベストなものを選択できるようになり、自社のケイパビリティーをしっかり把握した上で、グローバルスタンダードを意識して、戦略的にプラットフォームを選んでいます。

 パートナーシップという観点からは、選定したプラットフォームが新たなソリューションであることも私たちにとっては重要なポイントです。今回のトランスフォーメーションで得た知見をお客様に提供していくことも視野に入れています。

 マイクロソフトと戦略的パートナーシップを締結してMicrosoft 365を導入したり、SAPのプロジェクトチームの拠点をドイツとタイムゾーンが同じスロバキアに置いたりしたのは、それだけ我々自身も深い知見が得られると考えたからです。

カスタマーゼロの経験で得た知見で
企業の変革を支援していく

――今回の移行プロジェクトで得られた知見をどのようにビジネスに生かしていくのでしょうか。

松本 今回全面的にシステム移行をした経験を「カスタマーゼロ」と呼んでいますが、このシステム移行によって変化へ柔軟に対応できるシンプルなIT環境が確立され、長期的には2億ドルから3億ドルの経費の削減が見込まれています。

 私たちがこの経験で得たノウハウは、レガシーシステムを抱えていて、最新のテクノロジーの恩恵を受けることができずに悩んでいる日本企業にとって役に立つものばかりです。

 先日、米調査会社のガートナーのイベントで講演をした際には、多くの企業から「もっと詳細な話を聞かせてほしい」との声をいただきました。今回の変革は我々が持つ6つの技術領域のすべてのサービスにおいてブループリントとなり、また、来年度中にはSAPとKyndryl Bridgeの接続を予定しておりますので、お客様により高度なデジタル経験をご提供することが可能になります。

河合 今回の移行プロジェクト自体は巨大な実験でもありました。例えば、SAPのプロジェクトで得たビジネスアプリケーションとつなげる技術は、Kyndryl Bridgeというオープン統合プラットフォームに生かされていきます。

 これだけのプロジェクトを経験したエンジニアはIT業界でも希少な存在です。その経験を持ったプロフェッショナルが当社には大勢います。きっと皆様のお役に立てるはずです。

松本 レガシーからのモダナイゼーションは、必要性が分かっていてもなかなか踏み出せないものです。「カスタマーゼロ」、つまり我々が0番目のお客様としてまず自社で自らの企業変革に大胆に取り組み、そこからの学びを生かして、お客様にさらに大きな価値を提供し、企業が自社の変革を乗り越えられるよう支援することに全力で取り組んでいきます。変革に挑戦する企業を支援することが、日本の成長に貢献することにもなると考えています。ぜひお気軽にご相談ください。

6つの技術領域を「Kyndryl Vital」「Kyndryl Consult」「Kyndryl Bridge」で支援
6つの技術領域を「Kyndryl Vital」「Kyndryl Consult」「Kyndryl Bridge」で支援
[画像のクリックで拡大表示]
お問い合わせ