中堅製造業が挑むデジタル戦略

世界で戦うヨコオが選んだ第3の基幹システム

車載通信機器や半導体検査用コネクタなど、多彩な製品ラインナップを誇るヨコオ。中堅製造業ながら、海外販売比率が70%を超えるグローバルカンパニーだ。各国の法規制や納入先の高い要求に応えるため、グループ全体のITセキュリティ強化に積極的に取り組んでいる同社は、人手による管理の限界を痛感。より効率的で精度の高い管理を実現するプラットフォームを採用した。

法規制や納入先の高い要求に
応えていくために

海外生産比率80%以上、海外販売比率は70%以上。売上高こそ768億円(2024年3月期)と中堅規模ながら、ヨコオは知る人ぞ知るグローバル企業だ。

1922年に創業。当時、普及し始めた腕時計の本体とベルトを固定する金属製のバネ棒を発明し、世界的にヒットさせた。

「その後、バネ棒の製造技術を応用して、細い金属の管やバネを使った多様な製品の開発を進めました。中でも、ロッドアンテナにおいては世界有数のシェアを占めていました。これを出発点に、ヨコオは車載通信用途を中心に様々な車載通信機器を開発し、現在も主要自動車メーカーのティア1(一次請けメーカー)として、機器を供給し続けています。厳しい納期や品質、技術などの要件を追求し続けてきたというのがヨコオの特徴でもあり、こだわりでもあります」

そう語るのは、同社 執行役員 経営企画本部長の角田達朗氏である。

角田氏
株式会社ヨコオ
執行役員
経営企画本部長
角田 達朗
1998年に株式会社ヨコオに入社。国内外の営業部門責任者、購買部門を経て、2015年より経営企画本部に異動。以降ServiceNow、SAP S4HANA移行やPLM導入プロジェクトにおいて責任者として参画。ヨコオグループにおける基幹システム導入、DX推進に携わる。22年4月より同執行役員に就任。

一方、半導体メーカー向けには、回路検査に欠かせない高周波測定プローブなどの髪の毛よりも細い金属管にバネを仕込んだ検査用コネクタを供給。電子機器メーカー向けには、スプリングコネクタなどの超精密部品を提供している。

2000年代に入ると、その微細加工技術を応用して、カテーテルなどの医療機器分野にも進出した。創業当時からの技術を応用して事業領域を広げ、市場もグローバルに拡大してきたのがヨコオの歴史である。現在では、国内5拠点のほか、北米6拠点、欧州1拠点、アジアに11拠点の生産・販売ネットワークを展開している。

世界の主要自動車メーカーや半導体メーカーなどと取引するヨコオは、各国の法規制や業界技術、納入先の高い要求などに応えながら製品づくりを行っていく必要がある。

角田氏は「中でも、情報漏洩を防ぐためのITセキュリティ管理については、厳格な規制や要求をクリアしなければなりません。中堅企業の限られたリソースで、それらの要求にいかに応えていくかというのは、非常に大きな課題でした」と語る。

限られたIT人材でグローバル全体のセキュリティ管理を万全にするため、ヨコオはどんな解決策を採り入れたのか?