「これは、いかん!」。EC通販大手のアスクルが2018年2月、大阪府吹田市内で稼働を始めた物流拠点「ASKUL関西DC(旧:AVC関西、以降「関西DC)」で恐れていたことが起きた。商品納入用トラックが、ずらりと列をなしたのである。
関西DCは当時展開していた全国8カ所の物流拠点の中でも最大規模。流通業1社単独の物流拠点としても関西最大級の規模を誇っていた。延べ床面積は約16万5000㎡。最大出荷能力は年間1000億円にも達する。
取扱商品は、あらゆる仕事場やくらしに必要な商品でオフィス用品や作業・研究用品、医療機器、医薬品、個人向け食料品や日用品など。「ここなら、商品をいくらでも置ける」「ここなら、商品をまとめて全部出せる」。規模の大きさと能力の高さに経営陣は満足と期待を抱いた。
もともと限られた商品を高い回転率で出荷するというビジネスモデル。関西DCの全面稼働を境に、商品の最小管理単位であるSKUの拡大に踏み切る方針だった。それには入荷能力の引き上げも求められる。
そこに、予想を上回る納品ラッシュだ。
納品の受付は先着順。サプライヤー側は早めの順番を確保しようと、多くが朝早い時間帯に殺到する。それが、大行列を生んだ。
物流拠点では、最新鋭の機器を取りそろえ、自動化を推し進めていた。入荷した商品の自動倉庫への保管、注文に応じたピッキングや荷合わせ、出荷に向けた梱包……。多くの作業を機械に置き換えていた。
しかし、テクノロジー活用は物流拠点内がメイン、輸配送は取り残されていた。「アナログ業務が多く、コストも硬直化していた工程でした。可視化を通じて最適化を図る必要がありました」。代表取締役社長CEOの吉岡晃氏は振り返る。
この出来事をきっかけに、テクノロジー活用を輸配送にも広げる。まずは、目の前の課題であるトラックの行列解消に挑んだのである。
