いま、物流の「常識」が揺らいでいる――。「商品が店舗に届くのは当たり前」という常識は、もはや通用しない。スギホールディングス代表取締役社長の杉浦克典氏は、その変化に強い危機感をいだく。「今後は『届けてもらえる』ことが付加価値になるはずです」

スギ薬局グループは売上高1兆円に迫るドラッグストア・調剤薬局チェーン。成長戦略の中心に新規出店を掲げ、年間100店舗以上の出店攻勢をかける。発祥の地である中部や関西を中心に、全国で2185店を数える(2025年2月現在)。

新規出店を確実に売り上げ増に結び付けるには、商品の安定供給を支える物流体制の構築が欠かせない。「届けてもらえる」体制づくりだ。

要は、全国33カ所に置く物流センターである。

取引先から仕入れた商品はまず、物流センターに持ち込まれ、そこから店舗に配送される。庫内作業や配送作業は複数の委託先に任せるのが基本。再委託先や再々委託先まで含めれば、物流パートナーは多数に及ぶ。

「物流センターはもとより、取引先や店舗にとっても持続可能な物流体制の構築を進めています。業務負担の軽減と物流業務の効率化の両立を目指しながら、物流センターと一体になって改革に取り組んでいます」(杉浦氏)

起点には、データを据える。「ロジスティクス改革には数値化が不可欠」(杉浦氏)という考え方からだ。杉浦氏は強調する。

「『届けてもらえる』体制づくりには、取引先をはじめ、庫内作業の委託先や配送作業の委託先など、多様なプレイヤーが関わっています。それらの協力を得ながら改革を進めるには、現状を正しく認識・共有することがまず大事です」

ロジスティクス改革では戦略性の向上も狙う。「物流はただの裏方ではありません。企業の競争力と持続可能性を左右する戦略分野です。だからこそ、経営者が率先して関与し、全社を巻き込むリーダーシップが必要です」(杉浦氏)

創業50年目にあたる2026年度には、売上高1兆円を目標に掲げるスギ薬局グループ。成長を支える戦略物流の要諦は、どこにあるのか――。

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