※ウェッズは1965年創業、東証スタンダードの上場企業
長澤 御社は、「車好き」の間では知る人ぞ知る会社です。カスタムホイール分野におけるトップ企業への道のりは順風満帆だったのでしょうか。
ウェッズ
代表取締役社長
石田 純一氏
石田 約60年にわたるウェッズの歴史はチャレンジの連続でした。当初はディーラー向けに自動車用内装用品などを販売していました。転機となったのは創業から4年後、モータリゼーションの成長を見据え、日本初カスタムホイール「エルスター」をリリースしたことです。ホイールにより車の走行性能はもちろん、見た目の印象も変わります。1970年代にはアルミホイールにいち早く着目し、精力的に新商品を開発しました。今も高価格帯から低価格帯のすべてを開発し、消費者嗜好や市場変化をいち早く捉え、新商品を投入しトップランナーとして走り続けています。
長澤 変化の時代を勝ち抜く成長ドライバーとなったのは何だとお考えですか。
石田 技術力、企画開発力に加え、営業力は当社の大きな強みです。当社には70人の営業担当がいます。競合他社と比べ2倍以上の人数です。全国12ヵ所の営業拠点から営業担当が、当社商品を扱う全国約1万におよぶ販売店を直接訪問し、商品コンセプトや販売戦略を説明するとともに、販売店の要望やユーザーの声を聞いて企画開発にフィードバックしています。長年にわたり販売店との間で築いた信頼関係は当社の成長基盤と言えます。
オリックス
理事 法人営業本部副本部長
デジタル戦略推進室長
長澤 拓馬氏
長澤 「ヒト」が御社の成長ドライバーとなってきたわけですが、今は深刻な人材不足が社会問題となっています。御社は人材を確保できていますか。
石田 私は2023年に社長に就任しました。まさに、最優先の経営課題が人材確保です。ポイントは2つあります。1つ目が新卒採用。非常に苦戦しています。対策として大学自動車部とのコンタクトや、学生主催の自動車イベント参加など、地道に学生との接点を強化しています。また、モータースポーツの協賛・参戦、東京オートサロンなどへの出展など、今後も企業プレゼンスの向上に注力していきます。2つ目が、ベテランと若手の間をつなぐ中堅人材の空洞化。重要ポストに若手を就けて育成していく取り組みを進めています。
長澤 オリックスはファイナンスを中心に、デジタル化推進のサポートなど様々な形で中堅中小企業を支援しています。お話を聞く中でみなさん、悩まれているのが人材確保です。働く環境の整備も重要なポイントですね。
石田 テレワーク環境整備、年間120日以上の休日確保、勤怠管理の徹底など、ライフワークバランス実現に向けた取り組みを積極的に進めています。それから人材確保の観点ではモチベーション向上が大切ですね。仕事にやりがいを見つけられるよう、新人と先輩社員が積極的に会話する機会づくりに組織的に取り組んでいます。
私も現場の状況を把握するために、全12拠点に出向いて自らの目で確かめています。しかし、本当に細部まで見えているかというと、そうではないと思います。
長澤 やるべきこと、決断すべきことが山積みの経営者にとって、現場のすべてを把握するのは困難ですよね。それを補完するのはデジタル技術の活用です。例えば勤怠管理をさらに進めて、従業員の時間の使い方を可視化することで、データに基づいて業務の平準化が図れます。肌感覚とデータが結びつくことで、今まで見えていなかったことも見えてきます。
石田 私は当社で、総務と経理以外の部門を経験しました。システム部の部長もしていました。経営課題の解決にデジタル技術は欠かせないという認識を強く持っています。人材確保において働く環境整備の次の一手として、AI活用がブレークスルーになるのではないかと考えています。
長澤 手作業による業務をAIに任せることで、人は人にしかできない業務に集中できます。成長を実感できない作業は、新人のやる気を低下させる要因となります。AIにより創出した時間は、中堅社員に若手と向き合うゆとりを生み出します。ポイントは、AI活用は目的ではなく手段に過ぎないということです。パッケージ化されたサービスとしてAIを導入すれば、構築費、運用費も大幅に抑制できます。システム部門のリソースが厳しい状態にあっても、AI活用によって経営課題を解決しうると考えています。
石田 当社の手作業業務で負荷が大きいのは、全国約1万におよぶ販売店との取引で生じる膨大な注文書処理です。当社では営業活動を阻害しないよう、約70人いる内勤の営業サポートが注文書情報を基幹システムに入力する作業を行っています。彼らの本来業務である営業活動サポートに注力してもらうために、電話やFAXで受注していたものを、販売店協力のもとWeb化を推進中です。今は毎月5万枚におよぶ注文書が、ペーパーレスFAXで送られてきます。それらの電子取引データを保存し管理しています。
長澤 5万枚のFAX注文書処理に関して、電子帳簿保存法(以下、電帳法)対応に伴う新たな業務負荷は、悩ましい問題になったのではないでしょうか。
石田 電帳法対応のために、FAX注文書データのファイル名を変えて保存するなど入力作業が必要となりました。仮に、作業に1分要したとして、完了まで5万分かかります。ナンセンスですが、対応しないわけにはいきません。人手不足の中、人員の増強は難しい。利益を生まない作業に大きな投資をしたくないというのが本音です。また入力ミスをした場合、間違った情報を保存し続けることになります。人手を介さず自動化できるツールを探しましたが、なかなか見つからなかったですね。普段からオリックスさんにいろいろと相談する関係性があったので、当社システム部がオリックスさんに悩みを打ち明けたところ、単なるツール紹介ではない課題解決策の提案がありました。
長澤 当社はITベンダーではなく、中堅中小企業の課題解決を支援する会社です。目的ではなく手段としてITツールを提供しています。御社のシステム部門から、人手不足解消、新たに追加される電帳法対応業務を、単なる負荷でなく価値に変えたいなどのご相談がありました。
それらの解決策として有効だったのが、当社の高精度AI-OCR搭載文書管理サービス「PATPOST」でした。電帳法対応のための入力作業をなくすには、FAX注文書から必要なデータの抽出が必要です。自社名か、相手先の会社名か、人が目で確認し判断する作業をAIが代行します。AI-OCRによるデータ抽出精度は98%※、手書きおよびスキャン文書を含む場合も95%※です。「PATPOST」という“箱”にFAX注文書を入れることで自動的に電帳法対応のデータとして保存されます。
※オリックスグループで取り扱う電子文書の検証結果
「PATPOST」に読み取りたいファイルをフォルダごとアップロードするだけで、高精度AI-OCRがデータを一括で抽出。
書類情報の手入力や整理の負荷を大幅に削減できる
石田 2025年1月に「PATPOST」の運用が本稼働しました。営業部門は営業活動により専念できる部隊に変わります。内勤の営業サポートも、営業を後方支援する業務に一層注力するとともに、営業担当へのシフトなど人材不足を解消する選択肢を得ることもできました。
長澤 御社における「PATPOST」ご導入は、電帳法対応に伴う課題解決がきっかけでした。私は、電帳法への対応を機に、発注、受注から発送、納品、入金までのプロセスをデジタル化し、日本の産業界のスピードアップ、競争力強化ができると思っています 。「PATPOST」は今後電子取引の拡大ニーズに対し、中堅中小企業も容易に対応できる手段となります。
石田 事業拡大、新しい取引先との関係構築において、電帳法対応はビジネスチャンスにつながると思います。電帳法対応だけでなく、業務効率化の点も「PATPOST」採用を決断するポイントとなりました。お客様や国税局からの問い合わせに対しすぐに検索し迅速に対応できます。また大きな期待を寄せているのが、基幹システムへの転記作業の自動化です。今、オリックスさん支援のもと取り組みを進めています。
長澤 2024年12月に、手書き表形式もAI-OCRで読み取り、データ化する新機能がリリースされました。
「PATPOST」は、基幹システムで取り込めるCSV形式に対応しているため連携も容易です。
AI-OCRで手書きの表も読み取り、表としてデータ化することが可能。煩雑な転記作業を一気に解消できる
石田 基幹システムへの転記作業が不要になると、営業サポートも含めて営業部門全員が販売店に出向くことができます。凄い光景ですね。ぜひ実現したいと思います。また、注文書だけでなくあらゆる文書を「PATPOST」で一元管理することで、優れた検索性により必要な時に必要な書類をすぐに利用できます。探す時間が短縮でき、ビジネススピードも向上します。
長澤 「PATPOST」のコンセプトは、あらゆる文書を入れるだけで、データ化され、どのファイルも簡単に見つけることができるというものです。データ活用は、DXのベースとなります。「PATPOST」なら、1IDあたり月額980円※からAIを活用したデジタル化を推進でき、DXにも取り組みやすくなります。
※2025年1月17日取材日時点の法人プランの税抜価格。2025年4月1日以降の新規契約詳細はリンク先をご確認ください
石田 AIは、何に活用するべきか分からない、大きな投資になると手が出ないと考えていました。AIを活用した「PATPOST」は人材不足解消、営業力強化、業務プロセス改革など、当社の様々な経営課題の解決に寄与します。事務処理はAIに任せ、人はもっとチャレンジする。マーケットシェアのさらなる向上、業界ダントツの会社を目指す当社の方向性や社風にもAI活用は合っていると感じています。企業持続性の原動力は、やはり「ヒト」です。社員を雇用し、社員の幸せを実現するのが経営者の務めだと思っています。
長澤 大企業を中心に、生成AI活用の取り組みが進められています。中堅中小企業は同じ土俵に立つ必要はないと思います。大事なのは、事業拡大、人材育成、社員の幸せを実現すること。その手段としてAI活用の意義があります。「PATPOST」の裏側では、様々なAIやデジタル技術が動いています。チャット形式で「去年の受注トップ3の営業担当を教えて」とAIに質問すると回答が返ってくるといったことも、技術的には可能です。「PATPOST」は今後も進化を続けます。オリックスは御社に寄り添い、ダントツを目指す成長戦略を支える一翼を担っていきます。
オリックス株式会社
PATPOST事務局
TEL:03-6740-1354
平日 9:00~12:00 / 13:00~17:00
MAIL:patpost_is@orix.jp