広告費10倍売り上げ増も Uber広告なぜ効くのか?

蓄積したデータを基に
最適な広告を表示

 Uberは世界で1億7000万人以上の月間アクティブユーザーを抱える巨大プラットフォームである。日本では、配車アプリでのUber Taxiのサービスが24都道府県で展開されている。Uber Eatsは全都道府県をカバーしており、12万以上の店舗に利用され、月間10万人を超えるアクティブな配達パートナーが稼働している。UberとUber Eatsのユーザー層について、持田氏は次のように説明する。

 「若い年代の厚みが大きな特長の1つです。国内のユーザーを見ると18~34歳がおよそ半数を占めています。また、時間に対する価値意識が高く、経済的にもゆとりのある方が多くいらっしゃいます」

 Uberの広告事業における最大の強みは、自社独自で収集するファーストパーティデータの蓄積であり、これがユニークな広告モデルを生み出している。

 Uberのアプリを使ってアプリ配車やデリバリーのサービスを利用したユーザーは、1つのIDで管理され、そのIDにすべての利用履歴がひも付いている。そのため、ユーザーの詳細なプロファイリングが可能となる。「こうしたユーザーは、『海外旅行によく出かける人』や『ファストフードの好きな人』といったように、様々なペルソナに分類されます。ユーザーの行動によるセグメントのほか、年齢などの属性も用いて、最適な広告が表示されます」と持田氏は説明する。

 場所と時間の情報も重要な要素だ。例えば、海外旅行の頻度は、外国の都市でのUber利用履歴から推測が可能だ。また、リアルタイムの位置情報を活用することで、近隣のレストラン広告を表示できる。レストランなどの広告主のニーズに応じて、食事の時間帯を考慮した広告表示も実現できる。

持田 忠一郎 氏

「ユーザーの利用履歴にターゲティング
広告が可能です」(持田氏)

Uberアプリの利点を
生かした2つの新サービス

 Uberはこうした膨大なデータを生かし、リスティング広告に続いて、Uber Eats向けのポストチェックアウト広告、Uber向けのジャーニー広告というサービスを開発した。

 まず、ポストチェックアウト広告について説明しよう。Uber Eatsで注文した場合、商品が店舗から届くまでには通常30分程度の時間がかかる。アプリ画面のマップには配達パートナーのGPS情報がリアルタイムで表示されるので、ユーザーは配達の進行状況を随時確認できる。

 ユーザーは注文後に、家族から「いつごろ来るの?」と聞かれることも多いので、この30分間、頻繁にアプリ画面を確認する。そのマップの下部に、1社限定で広告を表示するのがポストチェックアウト広告だ。「広告主は、次回の購入を促すメッセージングやブランディングなどに、このスペースを活用しています」(持田氏)

ポストチェックアウト広告の流れ
【商品選択】数あるレストランから食べたいメニューを選びます【注文完了】配達員がお客様のもとへ向かう間、GPSで移動する様子が分かります【デリバリー】GPSでルートがリアルタイムに表示されます。深いエンゲージメントが配達を待つ間に期待できます

 次に、ジャーニー広告は、タクシーやハイヤー、ライドシェア(一般ドライバーが自家用車を活用して他の利用者と座席をシェアしながら運送する相乗りサービス)などによる移動中に表示される広告だ。基本的なコンセプトはポストチェックアウト広告と同じで、アイドルタイムが食事の到着待ちか、移動中かという点が異なる。ジャーニー広告では目的地が判明しているため、ユーザーの行動特性や目的地の性質に応じた、より効果的な広告配信が可能だ。

 例えば、頻繁に海外へ渡航するユーザーが国際空港行きの車に乗っている場合は、免税店の広告が効果的かもしれない。また、音楽フェス会場への移動中は、飲料やアルコール類の広告が高い効果を発揮するだろう。この広告も、アプリ画面上には1社のみが表示される。

ジャーニー広告の流れ
【配車時】走行中のドライバーとのマッチングを待っている間、画面を見ています【ピックアップ】ドライバーが乗客のもとへ迎えに行く間、GPSで車が向かう様子が分かります【乗車中】GPSでルートがリアルタイムに表示されます。深いエンゲージメントが乗車中に期待できます

「閉じた世界」での
優位性と安全性

 ポストチェックアウト広告、ジャーニー広告はともに1社独占表示のため、SOV(Share of Voice:競合他社と比較した広告出稿量)は100%である。広告主のWebサイトなどへのクリック率(CTR:Click Through Rate)は、通常のディスプレイ広告は1%程度のところ、ポストチェックアウト広告が2.5%以上、ジャーニー広告が2%以上に達するという。15秒の動画広告の場合、ポストチェックアウト広告の完全視聴率は40%以上に達し、ジャーニー広告の平均接触時間は1分半以上となっている。これらの数値は平均より大幅に高い。

 「個々のユーザーのプロファイリングに基づき、食事や移動に関する最適なタイミングで、最適な広告を表示できるのがUberの広告の最大の強みです。そのため、大きな広告効果を生み出せます」と持田氏は力を込める。

 リスティング広告も同様で、個別の条件によるが、広告の費用対効果を示すROAS(Return On Advertising Spend)が10倍を超えるケースも珍しくないという。つまり、1000円の広告費で1万円の売り上げ増が見込めるということだ。

 具体例を見てみよう。飲食チェーンの米サブウェイ日本法人は2024年9月、4日間にわたりターゲットを絞った新製品の告知のためのポストチェックアウト広告を実施し、新製品の認知を向上したうえ、総受注数は1172個(売り上げ200万円以上)を記録した。「サプウェイ様が制作した30秒の動画広告のクオリティーが高かったこともあり、動画完全視聴率は82.94%という驚異的な数字に達しました」と持田氏は説明する。

 UberとUber Eatsという、いわば閉じた世界で展開されるユニークな広告プラットフォーム。この閉鎖性こそが、不要な要素を排除した安全な広告環境を実現している。「インターネット空間には時として不適切なコンテンツが混在しますが、当社のアプリ内は異なります。クリーンな環境で広告を表示できるため、ブランドセーフティの観点でのリスク排除もできます」と持田氏は話す。

 高い広告効果を求める企業はもちろん、ブランドイメージの保護に注力する企業からも、Uberの広告への関心が高まっている。

Uber Japan株式会社
Uber広告
https://www.uber.com/jp/ja/advertising/

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