「基幹システムの中身を知る最後の社員が退職する」。IBM iユーザーの間で、そんな危機感が現実になりつつある。
企業の基幹システムを長年支えてきたIBM i。その安定稼働を支えてきたベテラン技術者の高齢化が進み、後継者不足が深刻化している。RPGやCOBOLを扱える人材は限られ、担当者の退職をきっかけに「なぜこの処理が必要なのか分からない」「障害が発生しても誰も手を出せない」という事態に直面する企業が増えている。
また、問題は人材不足だけではない。改修の積み重ねでシステムが複雑化し、ブラックボックス化も進む。稼働中のプログラムと不要なプログラムの区別がつかず、ドキュメントも十分に整備されていないケースは少なくない。
こうした状況は、DXの足かせにもなっている。OSやハードウエアを更新したくても、基幹業務が停止するリスクを恐れて踏み切れない。結果としてシステムの老朽化が進み、将来の選択肢は狭まっていく。
今年4月、この悩みに応える有力な選択肢が登場した。4月にIBMがリリースしたばかりの最新のAI基盤「IBM Bob」を活用し、ブラックボックス化したIBM iシステムを短期間で解析、可視化し、モダナイゼーションにつなげるサービスだ。
システムを解析するサービスは、以前からあった。しかし、多くの工数と時間を要し、計画半ばで断念する企業も少なくなかった。その常識が、AIで大きく変わろうとしている。
既存資産を生かし、安定稼働を維持したまま最新のIBM iへ刷新することで、Pythonやクラウドなどの最新技術も活用できるようになる。長年投資してきたシステム資産を、次の成長の武器に変える新たな選択肢として注目を集めている。
AIはブラックボックス化したシステムをどう変えるのか。その具体策を、次ページで紹介する。
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