経営思想を曲げない決断が強い組織をつくる


グローバル経営を成功に導く東京海上グループの哲学

世界57の国と地域で事業を展開する東京海上グループ。買収した各保険会社の自律性を尊重する「連邦的経営」を志向する同グループは、グローバルでの経営管理高度化と、各拠点の自律性を両立させた、経営思想を貫くグループ経営管理システムを構築した。

戦略的M&Aを重ね、海外事業を拡大
「連邦的経営」という独自の道を歩む

「お客様や社会の“いざ”をお守りする」というパーパスを掲げる東京海上グループ。「日本の損害保険会社」とのイメージが強いかもしれないが、実は世界57の国と地域で事業を展開するグローバル保険グループだ。

「2000年代に入ってから、英国のキルン社、米国のフィラデルフィア社、デルファイ社、HCC社など、各国・地域の有力保険会社への戦略的M&Aを通じて海外事業を拡大し、現在は利益の約7割を海外事業で上げています」

そう語るのは、東京海上ホールディングス 海外事業企画部 業績管理グループマネージャーの洞山育大氏である。

東京海上ホールディングス
海外事業企画部
業績管理グループマネージャー
洞山 育大
洞山氏

東京海上グループのグローバル経営の特徴は、買収先企業の文化や強みを尊重し、現地経営陣による自律的な経営を維持している点にある。グループ入り後も各社のオーナーシップやアカウンタビリティを重視し、現地の強みを生かし続けることで成長を実現してきた。この考え方を同社では「連邦的経営」と呼んでいる。

このモデルが生まれた背景には、保険事業特有の事情がある。

保険ビジネスは現地のメンバーが築いてきた顧客との長年の信頼関係が競争力の源泉となるため、本社が画一的な経営を押し付けると、むしろ企業価値を損なう可能性がある。

だからこそ東京海上グループは、買収後も現地経営陣の判断を尊重し、それぞれの企業が持つ強みを最大限発揮できる環境を維持してきた。

「各社がそれぞれの持ち味を最大限に発揮することが、結果としてグループ全体の成長につながると確信しており、東京海上グループは、引き続き『連邦的経営』を通じて発展を追求していきます」(洞山氏)