「守り」から「早期復旧」へかじを切った経営の決断 SBSホールディングスが貫く「物流を止めない」覚悟

サイバー攻撃の「真の恐怖」は、業務が一時的に停止して売り上げが減ることではない。復旧が大幅に遅れれば、事業そのものが立ち行かなくなり、「倒産」の2文字が現実味を帯びる。かつてランサムウェア被害に遭い、「倒産リスク」の大きさを思い知った総合物流企業のSBSホールディングスは、従来の「防御」を中心とするサイバーセキュリティから、「迅速な復旧」を柱とするサイバーレジリエンスへとかじを切った。

メーカーの物流子会社を積極的に買収
非連続な成長を遂げる

2003年の株式上場以来、20年余りで年間売上高が25倍以上、営業利益は53倍と急成長を遂げている総合物流企業のSBSホールディングス。大手メーカーの物流子会社などを30社以上もM&A(合併・買収)して、非連続的な成長を遂げてきた。

「物流業務を切り離して効率化したい大手メーカーから子会社を取得し、当グループの洗練された物流オペレーションを移植する。その繰り返しによって、非連続的な成長を遂げてきました。合併・買収した物流会社の企業価値が高まり、グループシナジーが生まれれば、オーガニックな成長も促進されるという好循環がもたらされます」

そう語るのは、同社 グループITインフラ統括部長の宮崎 健氏である。

宮崎 氏
SBSホールディングス株式会社
グループITインフラ統括部長
宮崎 健
SBSグループのITインフラ、セキュリティ戦略を統括。M&AにおいてはITインフラ、セキュリティ領域のデューデリジェンスからPMIまでをリード、グループ全体のITガバナンス高度化を推進してきた。クラウド活用、サイバーレジリエンス強化、事業継続性向上を通じて、持続的な成長を支えるIT基盤づくりに取り組んでいる。

リコー、東芝、NSK(日本精工)、ブリヂストンなど、名だたるメーカーの物流子会社を買収してきたが、それが実現できたのは、元の親会社から「安心して譲渡できる」という高い信頼を得たからにほかならない。

「買収した物流会社の大半は、その後も元の親会社の物流を請け負うことになりますが、サービスの質の低下を招いてしまっては、売ってくださる企業にとって何の価値もありません。我々としては、売り手側の期待に十分応えられる体制を整え、安心していただく必要があるわけです」と宮崎氏は説明する。

その「安心」を担保するために、中でも重要となるのが、「物流を止めない」ためのサイバーセキュリティ対策だ。