
paiza
2025/7/23
ソフトウエア会社の企業力は“人”だ。1990年創業、キヤノン製品のソフトウエア開発を担うキヤノンイメージングシステムズは、全従業員のうち、エンジニアが8割以上を占める。レンズ交換式カメラ、オフィス複合機、レーザープリンター、半導体露光装置、CT/MRI医療機器など、世界トップクラスのシェアを有するキヤノン製品。その開発に携わることに、同社エンジニアは誇りを持つ。キヤノンのDNAである「進取の気性」をベースに、生成AIなど新しい技術領域にも挑んでいる。
ソフトウエアを開発する同社において、従業員の健康維持・増進は生産性や収益向上に大きく関わる。同社は、従業員の健康管理を経営視点でとらえ、戦略的に実践する「健康経営」に積極的に取り組んでいる。定期的健康セミナーや、がん検診予約会を社内で開催。育休取得率も男女とも100%、男性の育休期間は平均120日だ。働き方改革の一環としてテレワークを導入し、技術者も工程によって働く場所を使い分けている。
技術ファーストの組織体制も同社のユニークなところだ。「一般的に、多くのソフトウエア会社は顧客別・事業(製品)別の組織になっています。当社は技術ドメイン別です」と鈴木氏は話し、説明を加える。
「製品別の組織では、同じスキルを持つエンジニアが部門ごとに散在することになります。エンジニアの活用を最大化することも困難です。技術別の組織では、繁忙時や育休取得の際に、同じスキルを持つ技術者間でカバーできます。また当社は、職務遂行能力に基づくジョブ型雇用を採用しており、エンジニアは技術を評価します。スキルアップに向けた教育・研修体制も整えています。さらに、当社が開発で使う言語は多種多様です。どの言語でも仕事があるといっても過言ではありません。プロフェッショナルなエンジニアとしてキャリアを積むうえで、技術主体でスキルアッププランが描けるというのは当社の特長です」

多くのキヤノン製品開発に携わり多種多様なエンジニアを必要としている同社だが、IT人材不足が深刻化する中、採用に苦慮している。「新卒の争奪戦は激しさを増しています。即戦力となるキャリア採用に力を入れているのですが、こちらも難しい状況が続いています。採用業務は負荷が増すばかりです」(鈴木氏)
手間不要、高確率でエンジニアをいかに採用するか。鍵となったのはスキルの可視化だった。
同社は、エンジニア(キャリア)採用に向けて求人情報サイトや人材紹介会社の利用など手を尽くしている。堅調なキヤノン製品の開発に対応していくため、同社が募集しているのは20代から30代のエンジニア。採用するには、激戦区だ。従来型の採用手段の課題について、鈴木氏は述べる。「求人情報サイトの場合、キャリアがない人も応募してくるため、絞り込むのに手間と時間、間接経費がかかります。1年間募集して、労力をかけてやっと採用に漕ぎつけたのですが、すぐに退社するケースもありました」
採用側と応募側、ウィンウィンな関係をいかに築いていくか。同社が注目したのが、ITエンジニア向けの転職・就職・学習プラットフォームpaiza(パイザ)だ。きっかけについて、鈴木氏は振り返る。「採用した新卒の学生が、非常にスキルが高かったので、どこで学んだのかを尋ねたところ、『paizaのeラーニングで勉強しました』と答えました。興味がわいてpaizaのサイトを見たところ、ITエンジニア向け転職サービスを行っていることがわかりました。そこで目に留まったのが、独自のプログラミングスキル評価機能『paizaスキルチェック』です。応募者のスキルを可視化することにより、キャリア採用で課題となる、履歴と実際のスキルとのギャップを埋めることができます」
paizaスキルチェックは、Java、Python、C、C++など豊富な言語に対応しており、実務に近いプログラムを書くテストを実施。テスト結果に基づき、スキルレベルをランク付けする。何度もテストを受けてランクをあげることも可能であり、そうした向上心のある技術者は、勉強する習慣が身についているとして評価される。
「応募者のスキルレベルがわかったうえで面接するので、『こういう組み込みの案件はできますか』など実務的な話もできます。技術者のスキルパスに対する質問に対しても、より具体的に答えることができます。応募者も入社後の仕事をイメージしやすいと思います」(鈴木氏)
2024年10月、同社はpaiza転職サービスの利用を開始した。仕組みについて鈴木氏は話す。「社内の各部門から『どういうスキルのエンジニアが必要か』というリクエストをもらいます。それに基づいてpaiza転職サービスを利用して、登録者リストからまずは言語とキャリアから求めているエンジニアを抽出しアプローチします。また、paizaの自動スカウト機能により、当社の要件に合った人材の紹介も受けています」
2025年のキャリア採用は15人。そのうちpaiza転職サービスの実績は3名だ。「半年で3名を内定し採用できた成果は大きい」と鈴木氏は強調し、説明する。「従来の人材採用サービスに比べて面談までのスピードも確率も高いと思います。paiza転職サービスは、ITに特化しており、最初から絞り込まれた状態からスタートするので非常に効率的です。手間もかからず、間接経費削減にもつながっています」
採用したキャリアエンジニアに求められるのは、短い研修期間を終え、即戦力として売り上げに貢献すること。「キヤノン製品に必要な部分を教えるだけですむので、開発部門も受け入れやすいと思います。『期待通りの人材に入ってもらえた』という声も聞いています。また、言語の学び直しコンテンツ、キヤノン研修制度、資格補助制度などキャリア採用向け教育も充実しています」(鈴木氏)
同社は、キャリア採用に関して期限を絞っていない。paiza転職サービスを通じて年中募集し、マッチングできた応募者に面接を行う。現在、特に必要な人材が医療機器分野のエンジニアだ。「キヤノンは、医療機器分野を成長領域と位置付けており、当社も人材強化に注力しています。医療機器のソフトウエア開発でも基本的に使う言語は、一般的なソフトウエア開発で使われる言語と同じです。大切なのは、『この製品を開発したい』という思いです。アルゴリズムもコピーするだけか、効率的なものを考えるか、技術者の思い入れによって生産性も変わってきます。paizaスキルチェックでスキルレベルはわかるので、面談時はより『どんなエンジニアになりたいのか』、より深い話ができると思います」(鈴木氏)
今後も継続的にpaiza転職サービスを利用していくと鈴木氏は話す。「新卒は引く手あまたであり、採用の難易度はさらに高まっています。教育に時間もコストもかかることから、キャリア採用の比重を増やすことが必要だと考えています。またキヤノンからの多種多様な開発依頼に継続的に対応していくため、即戦力となるシニアエンジニアの採用強化も図っていきます」
キヤノンイメージングシステムズ創業の地は新潟。本社、開発センターも地元にある。「当社は、2022年に新潟県初の経済産業省が推進する『DX認定制度』認定事業者となり、2024年に認定を更新しました。新潟におけるソフトウエア産業のリーディングカンパニーとして、ソフトウエア開発を志望する人材の受け皿になることが求められています。新潟は人口流出が進んでおり、全国から人材が集まることに加え、地元で就職してほしいという思いがあります。地域活性化の観点でも、paizaに大きな期待を寄せています」(鈴木氏)
キヤノンとともに、ソフトウエア開発を通じて社会課題解決に寄与するキヤノンイメージングシステムズ。paizaは、ITエンジニアに特化した転職・就職・学習サービスを通じて同社の取り組みを支援していく。
