日経テクノロジーonline SPECIAL

基調講演:JERA

垣見 祐二 氏
JERA
代表取締役社長

 JERA(ジェラ)は東京電力と中部電力が50%ずつ出資した新会社で、2015年4月30日に設立された。垣見社長は冒頭で「化石燃料調達と火力発電事業における世界一の企業を目指す」と述べた。JERAの目標は、これまで培ってきた燃料調達力を生かして安価で仕入れるとともに、火力発電所を効率よく建設・運営することで、発電単価を下げ、日本の産業や経済に貢献することだ。

 2017年春をめどに既存の火力発電事業のJERAへの統合判断がされる。それにより年間のLNG(液化天然ガス)の調達量は世界最大級の約4000万t、発電能力は7500万kW、売上高は3兆~4兆円に達する見込みだ。

LNGの価格安定化に貢献
発電事業では世界有数の規模へ

 JERA設立の背景には、天然ガスの東西価格差の解消がある。2009年ごろを境に、欧米の天然ガスの指標価格が下がったが、日本を含む東アジアではLNGの輸入価格が高騰した。そこでJERAは、これまでLNG価格の指標となっていた原油価格以外の指標を導入し、それを東アジアに定着させていくことで、東アジア全体のLNG価格の安定化を図ろうとしている。また、米国にあるJERAのLNG生産設備を生かすことで、LNG価格の世界規模の平均化を目指す。

 一方、火力発電事業については、特に東南アジア、中東、北米を中心に海外の発電事業を手掛け、約10年後に国内外合わせて1億kWの発電能力を達成し、世界有数の規模になるとしている。垣見氏は「発電事業においても日本企業の品質の高さを示すことで、世界における日本全体への信頼性を高め、日本の基幹産業を支えていきたい」と述べ、創業の新鮮な機運に満ちた講演となった。