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特別講演:資源エネルギー庁

市村 拓斗 氏
経済産業省 資源エネルギー庁
電力・ガス改革推進室 課長補佐(開催当時)
(現職)森・濱田松本法律事務所 弁護士
 

 2016年4月の電力小売り全面自由化に向け、資源エネルギー庁では、制度改革を進めている。講演では同庁の市村氏が、エネルギー分野における一体的な制度改革の全体像と、電力、ガス、熱供給の各事業法の一部改正について網羅的に解説した。

 市村氏は、一体的な制度改革の目的として「総合エネルギー市場の創出」を掲げる。これまで日本のエネルギー市場は、電力、ガス、熱などの業態ごとに制度的な垣根があった。それを制度改革により撤廃し、エネルギー企業の相互参入や異業種からの新規参入を促進することで、競争によるコスト低廉化と、消費者の利便性向上を図り、海外市場の開拓・獲得も目指す。

 さらに、市村氏は2015年6月17日に成立したエネルギー分野のシステム改革関連法の全体像について言及。電力、都市ガス、熱供給、規制組織の4項目について今後の施行期日を示した。

経済性や安全性を考慮しながら
エネルギー分野の制度設計進む

 次いで、電力システム改革の目的として、「安定供給の確保」「電力料金の最大限抑制」「需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大」の3点を挙げた。また、ガスシステム改革の目的として、上記の3点に加え、「天然ガスの利用の拡大」を挙げた。これらの目的に沿って改革の要点を述べていった。一方、熱供給事業法の一部改正に関しては、現在の「許可制」から「登録制」にすることや、料金規制や供給義務などの規制撤廃、需要家を保護する各種措置などを解説した。

 最後に市村氏は、「資源エネルギー庁の役割は、公正な競争環境を整備し社会に提供すること。多くの企業に新規参入してもらい、イノベーションを起こしてほしい」と激励の言葉を述べた。