日経テクノロジーonline SPECIAL

特別講演:楽天

 
菅原 雄一郎 氏
楽天
社長室 エネルギー事業長

 楽天は、電力小売り全面自由化に向け、新規参入を予定している。講演では、社長室エネルギー事業長の菅原氏が、同社の戦略について述べた。

 菅原氏は、楽天グループの2014年度の年間流通総額が6.7兆円に達していると述べた上で、今後は電力・ガスの流通額が合流すると語った。そして、楽天の強みを生かした戦略ツールとして、約1億人(2015年6月末時点)の会員数を誇る「ポイントプログラム」と、「楽天経済圏」と呼ばれるビジネスモデルを挙げた。

 1つのIDで「楽天市場」や「楽天トラベル」などすべてのサービスが回遊して利用でき、ポイントが付与される。菅原氏は「この楽天経済圏の中にエネルギーという商材が加わるのは自然な流れ」と述べる。楽天の基本姿勢は、電力事業者ではなく、消費者へのアプローチだ。2014年7月に消費者向けサービスの開発を促進するため、エネルギー需要開発有限責任事業組合を設立。異業種企業との連携に布石を打ったという。

会員のビッグデータや
LPガス事業者の流通網を活用

 次に、菅原氏は、楽天が強い関心を寄せている低電圧の電力市場についても言及した。楽天リサーチの調査によれば、2016年4月開始の電力小売り全面自由化に対し、約52%の消費者が、電力会社の変更を検討しているという。この結果を受け、同社は長年蓄積してきた楽天会員のビッグデータを戦略的に活用することで、様々なサービスを提供していく計画だ。

 また、電力小売りビジネスを展開するにあたって、全国に約2万社ある地元密着型のLPガス事業者に着目している。2015年7月に発表した楽天とLPガス事業者クレックスとの業務提携に向けた検討合意は、その第一歩となる。