日経テクノロジーonline SPECIAL

特別講演:エプコ

岩崎 辰之 氏
エプコ
代表取締役グループCEO

 スマートエネルギーの技術会社エプコは、「自治体関与の地域新電力事業構想」と題して講演し、経済産業省の大規模HEMS情報基盤整備事業の一環として福岡県みやま市と共同で進めている電力小売り事業の事例を紹介した。

 人口約4万人、世帯数1万4000世帯のみやま市において、モニターを務めるおよそ2000世帯の電力の利用状況を大規模HEMS情報基盤上に収集し、得られた情報を分析して、例えば、見守りサービスや電力ガスエネ診断サービスなどを提供する試みを始めている。

 また、市と地元企業の出資により、メガソーラー発電などを使用する電力小売事業会社「みやまスマートエネルギー」が設立されており、エプコは需給管理や料金計算システムの提供を検討中である。

広域企業団モデルで採算性を確保
30万世帯規模で事業成立を見込む

 電力小売事業の課題として岩崎氏は、単一自治体ではどうしても事業規模が小さくなってしまうことを指摘。複数の自治体が共同で運営する広域水道事業モデルを引き合いに出しながら、地方自治体が電力小売り事業に参入するには、こうした周辺自治体との広域企業団モデルが有効と提唱した。

 同社ではこうした知見を基に、自治体や関連企業を巻き込んだ「地域新電力コンソーシアム」を構想中である。サービス域が30万世帯規模になれば、電力売上高100億円、総利益14億円程度が見込め、事業として成立するとの見通しがある。

 併せて、電力の地産地消を進めるには、需要家(家庭や企業)に対して、新電力を利用したくなるようなサービスや利便性を提供することがポイントになるだろうと述べた。