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スマートシティ企画

山口 徹 氏
スマートシティ企画
取締役副社長

 ドイツには「シュタットベルケ」と呼ばれる地域密着型の公営インフラサービス会社が約1400社ある。電力のほか水道やガス、ごみ処理や通信など社会インフラサービスを広域で集約して提供しており、地方自治体が出資している。

 2015年6月、日本の業界関係者によるシュタットベルケ視察が行われ、その企画協力として参画したスマートシティ企画の山口氏が視察により得られた知見を発表した。山口氏によると、ドイツ国内のシュタットベルケ約1400社の売上高合計は、大手電力会社4社の売上高合計を上回っている。電力シェアは50%に少し届かないものの、水道・熱・ガスについては60~80%に達する。

日本が参考にすべき事業形態
規模の不足は地域間連携で補う

 その高いシェアの背景にあるのは、自治体出資という企業形態の下に獲得した地元住民からの高い信頼だ。シュタットベルケにとっても地元住民という顧客の顔が見えやすく、地域に密着したサービスを展開しやすい。

 一方で、大手電力会社に比べて経営基盤が小さいため、経営の規模やリソースの面で劣ることは否めない。その不足は、広域連携や地域間連携によってそれを補っている。

 山口氏は「新電力会社が経営を成り立たせるためには、シュタットベルケのような地域密着型のサービスが欠かせない」と強調。電力に限らない新たなサービスの企画と、CRMなど顧客の満足度を高めるための仕組みが重要と指摘した。山口氏が副社長を務めるスマートシティ企画でも、地域の事業者と様々な専門家などを結び付けるコミュニティを提供して、日本版のシュタットベルケ実現に向けてサービスを提供していくという。