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インターネットイニシアティブ

スマートメーターから電力使用量を収集する経路の一つである「Bルート」は、リアルタイムの検針を可能にするだけでなく、「センサーの一つとして新たなサービスの土台になる」とインターネットイニシアティブ(IIJ)の齋藤氏は強調する。同社はBルート活用のための機器などを提供することで、新電力会社の事業拡大に貢献するという。

齋藤 透 氏
インターネットイニシアティブ
プロダクト本部
基盤プロダクト開発部 副部長

 需要家のスマートメーターから電力使用量を取得する方法は3つある。メーターから直接電力会社が取得する「Aルート」、需要家に置いたHEMS機器で取得しネット回線で収集する「Bルート」、Aルートから電力会社を経由して取得する「Cルート」だ。このうち、新電力会社が現実的に選択できるのはBルートとCルートだが、齋藤氏はBルートを高く評価する。

 理由は、Aルートよりもリアルタイムの検針が可能な点だ。Aルートは30分単位なのに対し、Bルートは最短1秒単位で取得できる。従来メーターの置き換えに近いAルートと違い、Bルートはメーター機能を根本的に変えるものであり、新たなサービスの源泉になる。

Bルートこそが生む
生活スタイルを見通した新ビジネス

 スマートメーターは、従来のCTクランプを用いた方式と異なり、高い精度で電力量を取得できる特長がある。さらに、1秒単位で測定可能なBルートの機能を組み合わせることで、「エアコンをつけた瞬間の電力の上がり方などまで分かるようになる」(齋藤氏)。それが全需要家に対して可能になると、生活スタイルに基づいた新サービスが現れるかもしれない。

 実際、Bルート活用に向けた環境整備は進行中だ。スマートメーターとHEMS機器の間の通信には、無線通信のWi-SUNまたは電力線通信のG3-PLCを使い、プロトコルはECHONET Liteを使うことが、全電力会社で既に統一されている。経済産業省は、Bルートから得られる電力等情報を用いた取引が可能であることも明確化している。必要なのはBルート活用のための具体的なシステムで、それをIIJは提供する。

Bルート活用のためのプラットフォームPMSの概要
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 IIJが用意するのは、スマートメーターの検針データをインターネットで送信するためのゲートウェイと、検針データを管理するシステム。需要家に設置するゲートウェイは、セキュリティ機能のほか、設定情報をサーバーから受信し、ユーザー側での細かい設定を不要にする機能を持つ。検針データを管理するシステムでは、電力会社が機器の動作状況や過去のデータを参照する機能をWebで提供する。同社はこの仕組みを2015年6月からトライアル提供中だ。

 齋藤氏は「2022年ごろには8000万台のスマートメーターが“電力センサー”として機能する。そのデータを活用すれば、アイデア次第で様々なサービスが実現する」と強調し、データ収集に強いBルートの活用を呼びかけた。

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