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【アーク】ARRK ONLINE SERVICE 試作もオンラインで簡単発注

アークの試作品例
特にエポキシ・PC・PMMAなどの透明品は 高い評価を受けている
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試作の世界でも “ネットで手軽に注文”

 「今後、試作の世界でも、ネットを活用したニーズは高まっていくと考えています」。自動車や弱電をはじめとする国内外の多くのメーカーにデザイン・設計・試作・少量成形などの総合的な開発支援サービスを提供しているアークで、試作のオンラインサービスを立ち上げた宮城恵徳氏は、こう語る。同社の拠点は国内に8カ所、海外(欧州、ASEAN、北米、中国)に子会社として15社あり、年間売上高は508億円(2015年3月末実績)に達する。

 そうしたアークが2015年4月に始めたのが、インターネットを活用したオンラインサービス「ARRK ONLINE SERVICE」だ。専用Webサイト(https://www.arrkrp.com/)に3D CADのデータを送ると、出来上がった試作品が宅配便で送られてくる。インターネットと3D CADソフトが使えるパソコンさえあればアイデアを形にできるので、ものづくりへのハードルがそれだけ低くなる。

 このサービスを企画した背景には「3Dプリンター」と「ネットビジネス」の二つの要因がある、と宮城氏は説明する。

宮城 恵徳氏
株式会社アーク
コンシューマー事業本部
RP事業部 執行役員 事業部長

 一つは、3Dプリンターの登場によってものづくりが大きく変わり始めているという実感だ。3Dプリンターの活用は今後急速に普及することが見込まれており、総合開発支援サービスの主要プレーヤーであるアークとしても、この流れに乗って、より多くのお客様を積極的に支援したかったという。

 また、ものづくりの世界でもネット化は急速に進行している。既に部品・工具・消耗品を1個から即日配送するネットビジネスもある。スタートアップ企業やデジタルネイティブ世代の多くは「ネットで手軽に注文」を好むといわれる。「試作業界でも同じようなビジネスモデルの潜在ニーズは高いと考えています」(宮城氏)。

3D CADデータから最短30分で
見積もり代金はクレジットカードや掛け売りも可

 そのARRK ONLINE SERVICEの特長として、宮城氏は「スピード」「キャパシティ」「高品質な仕上げ」「柔軟な決済方法」の4点を挙げる。

 まず、見積もりが出るまでの時間が最短30分と短い。独自開発の自動見積システムで、製造方法や素材の種類をもとに標準的なリードタイムと費用をすぐに算出できる。「見積もりに先立って弊社はお客様の3D CADデータをソフトウエアツールで検査し、造形できないような問題があった場合、簡単なアドバイスを無償で提供しています」と宮城氏は説明する。試作可能な形状かどうかといった相談にも乗るという。

 また、国内に7カ所の生産拠点を擁するアークは、キャパシティ(受け入れ余力)についても圧倒的な優位性を持つ。

 さらに、出来上がった試作品の仕上げ品質も高い。アークは自動車部品の試作にも長年携わっており、その経験とノウハウがARRK ONLINE SERVICEに生かされているためだ。「ランプ類の試作には豊富な実績がありますので、ポリカーボネート(PC)やポリメチルメタクリレート(PMMA)製の透明品には特に自信を持っています」と宮城氏は胸を張る。

 加えて、代金の決済方法も多様化した。ネットビジネスで多用されるクレジットカード(法人/個人)だけでなく、企業間取引で主に使われる掛け売り(請求書払い)や決済代行、代引きなども選べるので、今まで敷居が高かったスタートアップ企業や個人事業主でも、ARRK ONLINE SERVICEを気軽に利用できる。

 現在、ARRK ONLINE SERVICEでは、様々な樹脂素材を使った光造形・粉末造形・切削加工・真空注型の四つの製造方法に対応している。標準的なリードタイムは光造形・粉末造形や切削加工で最短2日、真空注型でも最短3日と、非常に短い。2015年内には、3Dプリンター、表面処理、少量成形のオーダーもネットで注文できるようになる予定だ。

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 なお、出来上がった試作品の配送料は国内であれば個数・地域にかかわらず無料となっている。

スタートアップの試作品作りや
製品開発のリードタイム短縮に

 このARRK ONLINE SERVICEを武器に、アークは「ネットで試作をオーダー」という新しいものづくりの仕方を広く普及させていきたいと考えている。

 その典型的なシーンとして挙げられるのが、新製品のアイデアを基にビジネスを興そうとしているスタートアップでの利用例だ。3D CADソフト(フリーウエアでも可)で作ったモデルデータさえあれば、工場や製造設備がまだ整っていない段階でも試作品をオーダーして改良を進めていくことができる。その試作品をショーに出展したり出資者に見せたりすれば、本格的立ち上げまでの時間は大幅に短縮できることだろう。

 また、一般的な製造業の場合は、ARRK ONLINE SERVICEをリードタイム短縮の切り札として活用できる。これまでのものづくりでは、社内設備では作れない試作部品をどうするかが大きな悩みとなっていた。既に付き合いのある試作企業に頼むとしても先方の設備がいつも空いているとは限らないし、新規の試作企業の営業担当者とコンタクトを取り、見積もりからやり取りするのは時間がかかった。ARRK ONLINE SERVICEなら、設計データができたらすぐに試作にとりかかることができるので、ロスタイムが発生することはない。

 試作をネットで頼めるようにして、誰もが簡単にものづくりできるようにする。アークが狙う“次世代の試作”は、日本のものづくりに大きな変革をもたらすことになるだろう。

お問い合わせ
  • 株式会社アーク

    コンシューマー事業本部 RP事業部

    〒351-0024 埼玉県朝霞市泉水1-7-1

    TEL:0120-600-029

    URL:https://www.arrkrp.com/