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【ニチコン】新エネルギー社会に向けた製品が続々、次世代車や蓄電システムの普及を後押し

コンデンサ大手のニチコンは、新エネルギー社会に向けた製品を積極的に展開している。EV(電気自動車)やHV(ハイブリッド車)、燃料電池車などの次世代自動車に向けた「V2H(Vehicle to Home)」システムを業界でいち早く製品化。対応可能な車種を増やしつつある。この一方で、家庭用蓄電システムについてもJET認証取得第1号として市場導入して以来、公共・産業用蓄電システムとともに、それぞれの製品を進化させながら、ラインアップの拡充を図っている。

 ニチコンは、エネルギーの安定供給と環境保護の両立を目指す経営トップ直轄のプロジェクト「NECST(NichiconEnergy Control System Technology)」を2010年3月に立ち上げたのを契機に、新エネルギー・システム関連の事業展開を加速。コンデンサや大規模電源の開発を通じて培った電力変換の技術をベースに、EV向けの車載充電器や、スマートグリッドに関連するエネルギーマネジメントシステムなど意欲的な製品を、次々と市場に投入してきた。さらなる拡大をはかるため2013年11月には、NECSTをプロジェクトから事業本部へと格上げし、新エネルギー・システム関連製品を同社の事業の大きな柱の一つに位置付ける方針を明確に打ち出した。

燃料電池車にも対応

 こうした同社の積極的な姿勢がはっきりうかがえる分野の一つが、次世代自動車向けの充電システムである。量産型EV向けの「第1号」となる車載用充電器を三菱自動車工業と共同開発し、三菱自動車工業のEV「i-MiEV」に搭載した。この取り組みと並行してEV向け急速充電システムの開発も進め、これまでに出力が10kW~50kWの複数の機種を製品化している。いずれも車載用充電器のノウハウを生かして小型化を追求しているのが特徴だ。2015年8月にはEVの充電インフラ普及を促進させるさらなる新製品を市場投入した。新製品は、普通充電器なみのサイズで10kW出力の急速充電が可能。設置スペース、充電時間、ランニングコストの3つの課題を解決するすばらしい製品だ。目的地充電や基礎充電に最適でこれまでのこまかなユーザーニーズにも対応している。

 2012年に、世界に先駆けてEVと住宅の間で相互に電力を供給するV2Hシステム「EVパワー・ステーション」を製品化したのも同社だ(図1)。このシステムは、EVが内蔵する電池に倍速充電する機能と、EVに蓄えた電力を家庭に供給する機能の両方を備えている。つまり、電力が安価な夜間にEVに充電。電力消費量が増える昼間はEVから家庭に電力を供給する、といったように効率的に電力を利用できるようにする。

図1 V2Hシステムの普及をリードする「EV パワー・ステーション」

 同社は、日産自動車のEV「リーフ」とEVパワー・ステーションを組み合わせたV2Hシステム「LEAF to HOME」を2012年に発売。これ以降、EVパワー・ステーションが対応可能な車種を増やしている。2014年には、三菱自動車工業のEV「MiEVシリーズ」に対応。さらに2014年11月にはトヨタ自動車の燃料電池自動車「MIRAI」、2014年12月には三菱自動車工業のプラグインハイブリッド車「アウトランダーPHEV」にも非常用給電設備として接続できるようにした。

家庭用で大容量・長寿命を実現

 次世代自動車向けの取り組みと同時に、家庭用および公共・産業用の蓄電システムの製品化にも積極的だ。このシステムは、割安な夜間料金で充電した電力を、昼間に利用するといったことを可能にするので、電気代節約に貢献する。非常時は、同システムから家庭や施設に電力を供給することができる。

 このシステムの最新製品が、2015年7月に発表した大容量・長寿命の家庭用蓄電システム12kWhタイプである(図2)。外形寸法は、幅1060mm×高さ1250mm×奥行き300mmと現行製品とほぼ同サイズだが、充放電できる蓄電容量を約2倍に増やした。新開発の蓄電池は高温や低温における特性が強化されており、日当たりが良い家屋の南側や寒冷地の屋外にも設置できるようにした。しかも、長寿命化も図られており、屋外に設置した場合で15年と長期にわたる品質を保証する。

図2 大容量・長寿命の家庭用蓄電システム12kWhタイプ
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