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Part3 PowerVRグラフィックス

市場で高い評価を受け、多くのSoC設計者に選ばれているイマジネーションテクノロジーズのGPUコア「PowerVR」。支持されている大きな理由の一つは、ウエアラブル端末などのローエンドから、ゲームコンソールやサーバーなどのハイエンドまで幅広い用途を網羅する豊富な品種が揃っていることだ。それぞれの用途に適したGPUコアを選択することで、無駄のない設計を実現できる。

 PowerVR GPUは、Series5、Series6、Series7と、性能および機能が高いシリーズを追加する形でラインアップを広げており、いまや幅広い用途を網羅する豊富な製品群が揃っている(図5)。

図5●PowerVR GPUのロードマップ
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 同社の豊富なラインアップの中から選択する場合、単純に最新のIPを選べばよいというわけではない。描画性能、消費電力、コストといった観点で用途に合った最適なGPUコアを選択すべきである。例えば、ウエアラブル端末や産業用機器向けだ。これらは、そもそもそれほど高い描画性能は必要としない。その代わり、省電力性や低コスト性が重視される。こうした用途に適しているのはローエンドのGPUコアである。

 ゲームコンソールやGPGPU(general purpose computing on graphics processing units)としてGPUコアを利用する計算処理サーバーなど高い演算性能が最も重視される用途はハイエンドのGPUを選ぶ必要がある。ローエンドとハイエンドの中間にあるGPUコアが最適な用途もたくさんある。セットトップボックス、車載機器、モバイル機器などだ。つまり、用途に応じてGPUへの要求は大きく変化する。このためイマジネーションテクノロジーズは、「OneSize Does Not Fit All」というキャッチフレーズを打ち出し、幅広いラインアップを揃えている。

様々な特徴を踏まえて選択可能

 2014年7月に発表された、ウエアラブル/IoT向けのPowerVR GX5300 は、世代としてはPowerVR Series5XEに属する。28nmプロセスを利用した場合、実装面積が業界最小クラスの0.55mm2と小さいのが特長だ。Android対応コアで、高い効率を備えているため、エントリーレベルのスマートフォン、ウエアラブル機器、IoT、そのほかの小型の組み込みアプリケーションに適している。

 Series5 の次世代に当たるのがSiries6、Series6XT、Series6XEである。これらのアーキテクチャは、GPGPUとしても利用できるスカラーSIMD構成を採用。クラスタの形で複数並べてつなげて使うことも可能だ。同社の調べによると、Series6に属するG6430の面積当たりの性能を競合製品と比較すると、OpenGL ES 2.0の場合で1.3倍~2.6倍。OpenGL ES 3.0の場合でも1.8倍~3.4倍である。またGPGPUとして使った場合、CPUで同じ処理を行う場合と比較して最大9.6倍も高速にできるといったデータもある。

 最新のSeries7には、Series6 に比べて60% も処理性能を向上させたSeries7XTとSeries7XEの2種類がある。Series7XTは、スマートフォン、タブレット、4Kテレビ、セットトップボックス、ゲーム機、サーバーなどミッドレンジ以上のアプリケーションに適している。Series7XEは、ローエンドからミッドレンジのアプリケーションに向けたGPUである。モバイル機器、ウエアラブル機器、プリンターなどの用途に向く。

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