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【リネックス】新しいつなぐを実現する、LIMIM。エンジニアの理想を、かたちに。

新たな価値をお客様に提案したい。こうした思いを込めて、リネックスが生み出した新たな部品加工技術が、「LIMIM(リミム)」である。金属粉末射出成形(MIM)を独自進化させて、従来加工法では実現不可能な3次元複雑形状の超小型部品を、より低コスト、高品質で製造する。既成概念に捉われない部品が欲しいと思うエンジニアの理想を、LIMIMがかたちにする。

―― リネックスは50周年を迎えた長い実績を持ったねじの商社です。「LINK=つなぐ」を企業コンセプトとして、情報と技術と人で新しいつなぐを提供する商社活動をされているとお聞きしていますが、なぜ、お客様と一緒にカスタム開発するLIMIM事業を行っているのでしょうか。

宮坂 リネックスがLIMIMの事業化を始めたのは1996年のことです。当時もねじの商社として一定の地位を築いていましたが、当時社長(現会長)だった三瓶昌彦は「社内の商品の中に、面白いものがない」と物足りなさを感じていたようです。幕末の志士 高杉晋作の言葉「面白きこともなき世を面白く」に倣い、「面白いものが今のリネックスにないのなら、自分で作ってやる」という志で、LIMIMの事業化に着手したと聞いています。

――リネックスにとってLIMIM事業のどの部分に面白さがあるのでしょうか。

宮坂 リネックスでは、切削やプレスなど従来加工法によるカスタム部品も販売しています。これらも当然重要ですが、他社でも請け負える商品でもあります。これに対しLIMIMは、簡単には事業化できない高難度の技術であり、圧倒的な違いをお客様に提供できる、まさに「面白いもの」です。1996年、LIMIM技術に欠かせない射出成形技術と金型製作技術を持っていた、樹脂成形部品の製造でお付き合いしていたトーノ精密と開発契約を締結、製造技術の開発に着手しました。しかし、LIMIMの立ち上げ当初は苦労の連続であり、製造システムの立ち上げに約1年半、量産までに約3年掛かったと聞いています。トーノ精密 佐々木弘志社長が「簡単にできるものは技術の寿命が短い」と三瓶を励ましたことで、気持ちが折れず事業化できたそうです。

――トーノ精密とのつながりがあったからこそ事業化できた技術なのですね。LIMIMならではの特長を、お客様にはどのように伝えているのですか。

宮坂 カスタム部品を作るためにお客様から提供された図面の中には、従来の加工法からLIMIMに切り替えればメリットの出る案件が数多くあります。こうした時、改善提案しています。例えば、切削で作った場合とLIMIMで作った場合の両方の見積もりを提示し、納得いく方法を選択していただきます。地道にLIMIMを紹介したことで、ダイカストでは強度が足りない部品を中心に利用が広がっています。

――お客様に、新しい価値を提案しているわけですね。

宮坂 商社であるリネックスにとって、お客様に多くの選択肢と、納得の材料を示せることはとても重要です。LIMIMがあればこそ、お客様の製品の設計段階から関与し、より効果的な形状や材料を提案できます。結果的にLIMIMを選ばなくても、お客様は納得してカスタム部品を発注できると思います。お客様とのつながりを密接にしていくうえで、LIMIMは欠かせません。

――リネックスの事業全体へのLIMIMの波及効果も大きそうですね。

宮坂 LIMIMは、新しいお客様をも惹きつける技術です。従来加工法からの切り替えではなく、最初からLIMIMでの製造を前提にして部品を設計すると、他の加工方法ではとても作れない形状、極微小な部品が作れます。展示会などでLIMIMの可能性を感じ取った、お付き合いのなかったお客様からも声を掛けていただけるようになりました。実は、私自身も理工系学生の頃に足を運んだ就職説明会でLIMIMのことを聞き、ものすごい技術だと感じました。もともとメーカー志望でしたが、沢山の企業にLIMIMを使ってもらいたいと考えて商社であるリネックスに入社しました。

―― 継承者を得たLIMIMは、次の50年につながる技術ですね。

宮坂 付加価値の高い分野を開拓するため、私たちはもっと精度の高い製造技術を確立する必要があります。LIMIMで作る部品は一品一様です。以前成功したノウハウも、そのままでは次の案件に利用できません。常に創意と工夫を重ね、挑戦し続けていくことが重要です。LIMIMの責任者としては、私は3世代目に当たります。ここに至るまでに先輩たちが、難題に挑み、その経験と技術のノウハウを継承してくれました。引き継いだ私たちは、将来、より高度な部品、新しい分野の部品を作れるよう、さらに磨きを掛けてつなげていきたいと考えています。

―― 世代をつないでLIMIMを磨き続けることで、お客様の優れたものづくりに貢献できますね。

宮坂 お客様のものづくりのための創造的な活動を通じて、LIMIMをさらに成長させることが、私たちの使命であり誇りです。

 金属粉末射出成形(MIM)は、切削、鍛造、ダイカスト、鋳造、プレス焼結では製造が難しい3次元複雑形状部品の量産を可能にする加工技術です。ただし、金属粉末射出成形(MIM)では、金属微粉末と樹脂を混練した材料を射出成形した成形体に、脱脂と焼結の2工程を施していました。

 これに対しリネックスが開発したLIMIMは、脱脂と焼結を一体化したIHI社のシングルステップシステムを採用。これによって、製造時間の短縮による低コスト化と、成形体変形の抑制による高品質化を実現しました。

 LIMIMでは、ステンレス鋼、コバール、工具鋼など加工難易度の高い材料を利用できます。ミクロンレベルで品質を高めた金属微粉末を使い、溶製金属と変わらない強靱性、耐食性を持った、均質で歪みのない部品を提供します。

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