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3Dプリンティングを手軽にものづくりに取り入れられる「Stratasys Direct Manufacturing」が日本でも開始

3DプリンティングによるDirect Digital Manufacturing(DDM)がもたらす世界とその利点は認識できても、特に産業用の3Dプリンタは高価であり、そう簡単に投資できるものではないのも確か。そこでストラタシスが提供するのが、「SDM」(Stratasys Direct Manufacturing)というサービスだ。米国などで既に展開中で、日本でも近く開始予定のSDMについて、ストラタシス・ジャパンの営業開発部アプリケーションエンジニアの池田ケイン氏が紹介した。

ストラタシス・ジャパンの営業開発部アプリケーションエンジニアの池田ケイン氏

 Stratasysの一事業部門であるSDMは2014年7月に発足した。1991年設立のSolid Conceptsと1995年設立のHarvest Technologiesの両者をStratasysが買収し、Stratasysが2005年から事業を展開していたオンデマンド型のDDMサービスRedeye on Demandと統合することで、新たにスタートさせたサービスだ。

 旧Solid ConceptsはSLS(粉末焼結積層造形法)による3Dプリンティングの技術を開発したベンダで、旧Harvest Technologiesは航空部品への適用を認証するAS9100と工業製品として認可するISO9001を、北米の積層造形サービス事業者で初めて取得したベンダ。その2社の資産をStratasysが引き継ぐことで、SDMは幅広い業界に適切な品質のDDMサービスを提供できるベンダとしての地位を確立している。

SDMは、SLSの技術を持つベンダと航空分野の規格認証を受けたベンダの資産を引き継ぐ形で発足した
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 SDMが提供するサービスは幅広い。光硬化性樹脂によるPolyJetやFDM(熱溶解積層法)、SLS(粉末焼結積層造形法)やDMLS(タイレクト・メタル焼結積層造形法)、ウレタンキャスティングやCNCによる機械加工など、さまざまな製造方法に対応する。SDMは顧客の要求に応じて、これらの方法を組み合わせて製品の製作サービスを提供する。顧客が製品の設計データをSDMに提供すると、SDMはそれを適切な素材と製造方法によって製造し、数日で顧客に納める仕組みだ。

 池田氏はSDMを「顧客の工程の延長線上に位置するサービス」と表現する。グローバルで10カ所以上の拠点を持ち、700人以上のスタッフが日々サービスを提供することで、あたかも顧客の製造工程の一部のように機能している。

3Dデータアップで瞬時に見積もりと納期を提示

 そのSDMの中で最も特徴的なサービスの一つが、「Stratasphere」と呼ばれるものだ。DDMで製造したいデータを顧客が用意すると、データのチェックと同時に見積もりや納期をすぐに回答するオンラインベースのサービスだ。StratasphereにはSDMがグローバルで保有する3Dプリンティングのシステム全体がつながっているため、見積もりや納期の即時回答が可能という。過去の注文履歴や見積もりなども参照でき、またオンラインでのチャットによる相談対応とその履歴管理も行っており、対面に近いコミュニケーションで注文ができるとしている。

 池田氏はそのStratasphereを実際にデモを通して紹介した。顧客はシステムにログイン後、DDMで製造したいデータを選択する。データはSTL、OBJ、CMB、PLY、ZIPの各形式に対応。データをアップロード後、PolyJetやFDMなどの製造方法、使用する素材、色などを選んでいく。その後「Orientation」の設定画面で、作る製品のバリエーションを検討することができる。価格優先か、精密度を優先させるかなどによって、どのような出来で費用がいくらになるかを確認可能だ。

Stratasphereでデータをアップする画面。製造方法や素材、色などを指定する
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Orientationでは製品のさまざまなバリエーションを提示する
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 データのアップと細かい指定を行い、できあがりの3Dイメージを画面上で確認した後、見積もりのボタンを押すと瞬時に見積もり価格と納期が提示される。その結果をStratasphere上で第三者に転送すると、第三者による承認や修正なども可能だ。最終的に見積もりや納期について了承すれば、注文は確定され、製造が始まる。

 池田氏はこのStratasphereについて、2015年中に日本語化を行う予定であることを明らかにした。日本語化により、日本のものづくりの現場で3Dプリンタを自社で保有していない環境でも、DDMを自社のものづくりのフローに取り込みやすくなるだろう。

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