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コアスタッフ

「調達工数」「余剰在庫」「3大管理(在庫、生産、品質)」の「0(ゼロ)」を実現することを事業コンセプトとして掲げる電子部品商社のコアスタッフ。短時間で顧客が必要とする部品を集める「緊急調達」や小口需要に緻密に対応する「ひとつから」など、市場に密着したサービスを次々と立ち上げている。同社は、既存サービスの強化を図ると同時に、応用開発の支援など新たな領域のサービスにも進出している。その背景にある戦略などについて同社代表取締役社長の戸沢正紀氏に聞いた。

――2015年度の業績と2016年度の見通しは。

戸沢 2015年度の売り上げが30億円を超えるのは確実です。対前年度比10%以上の成長になります。当社が関わる製造業に関連する市場は、2015年下期に入ってから明らかに減速し、まとまった数量や金額のオーダーが減少しています。その一方で、小口の注文は増えました。これは、コストを最小限に抑えるために、必要最小限の部品だけを購入するお客様が増えたからだとみています。当社は、比較的小規模な企業で、小口で購入される顧客を数多く抱えています。このため市場全体が減速した中でも継続して業績を伸ばすことができました。

 電子部品の需要をけん引するヒット商品がない現状では、2016年度はさらに厳しい状況になる可能性が高いとみています。当社は、積極的なサービスの強化で、さらなる成長を目指します。

品質検査の設備と人員を強化

――最近の取り組みを教えてください。

戸沢 EOL(End of Life, 生産中止)品など、メーカーの代理店を経由しないで流通する製品、いわゆるアフターマーケット品の品質を検査する「クオリティラボ」の設備を増強したうえで、真贋(しんがん)判定や経年変化の観察、故障解析などを社外から受託するサービスを2016年1月に立ち上げます。クオリティラボは、もともと自分たちが調達したEOL品の品質を管理するために開設したものです。ところが、EOL品の品質検査に対する市場のニーズが高いことが分かり、社外向けサービスとして展開しました。

 受託サービスを始めるに当たって、従来から設置していた透過型X線解析装置、ICテスター、新たにパッケージの開封器、1000倍のマイクロスコープ、蛍光X線分析装置を導入しました。パッケージ開封器とマイクロスコープがあれば半導体チップの表面を詳細に調べることができます。蛍光X線分析装置があれば規制対象となる材料の有無が確認できます。ハンダ槽は端子のヌレ性などを確認するためにそろえました。機材だけでなく、クオリティラボを担当する技術者も増員しています。

受入検査の時間短縮に貢献

――調達関連サービスでの取り組みは。

戸沢 「入手困難品継続調査サービス」を新たに始めました。EOL品などの入手困難品を調達するサービスは以前から提供しています。しかし、依頼を受けた時点で残念ながら調達できないことがありました。こうした場合に、その後も継続して探索を続けるサービスです。EOL品が、突然市場に出てくることは珍しくありません。そこで国内だけでなく、香港や米国にある当社の拠点を中心とした海外のネットワークを通じて、定期的に依頼を受けた部品の有無を確認します。このサービスの需要も予想以上に高く、サービス開始から、それほど間もないうちに具体的な売り上げをもたらしています。

 従来から展開している「緊急調達」のサービスも強化しました。ポイントは大きく3つあります。1つは、見積もりを回答するまでの時間をコミットしました。日本およびアジア圏の調査結果を報告する1次回答は、依頼を受けてから3時間以内。調査範囲を欧米まで広げた2次回答は翌日の午前中までにお知らせします。このため、同サービスを担当するバイヤーを東京本社に集中させました。仕入れ先と当社をつなぐ情報のルートを効率化するためです。2つ目は、「1年保証」。お客様にお届けしてから1年以内に、私たちが調達した部品に品質上の問題が生じた場合、当社の規定に沿って補償いたします。3つ目は、クオリティラボの設備拡充にともなう品質管理の強化です。

 もう1つ大きな反響があった新しいサービスに「カスタム品質保証」があります。契約した個々のお客様の検査基準に従って仕入れた製品を検査するサービスです。お客様の多くは、私たちが検査したうえで提供した製品を、自社基準でもう一度検査してから使っています。このため緊急で調達したにもかかわらず、実際に使用するまでにかなり時間がかかる事態が発生しています。お客様が実施する試験を私たちが代行すれば、2度検査する必要はなくなるので、検査時間を大幅に短縮できるはずです。

機器や部品を統合した開発基盤を提供

――製造受託サービスの展開は。

戸沢 当社の部品調達のノウハウと、高い技術力を持った企業群を組み合わせたユニークなEMS「corEms」は、部品調達と並ぶ当社の事業の大きな柱の1つに育っています。ハード/ソフト開発、基板設計/製造、基板実装/組み立て・検査、筐体(きょうたい)設計/製造など、さまざまな技術をもった認定パートナー企業の中から、お客様のニーズに適した企業を当社が選択して、最適な量産体制を構築します。

 このサービスは、着実に成長しています。その原動力の1つがIT関連のモジュール製品です。当社は、様々なメーカーが開発したCPUボードや無線ルーターなどのIT関連のモジュールを販売すると同時に、それをベースにしたシステム全体の提案と、その製造まで受託する事業も展開しています。モジュール製品の品ぞろえが増えるにつれて、この事業が伸びています。

 この事業の一環として、電池レス・配線レスの無線通信規格「EnOcean」に対応した「見守りIoTシステム開発キット CS-AIOT-MIMAMORI-KIT」の販売を2015年11月から開始しました。EnOceanに対応したワイヤレスの温湿度センサー、人感センサー、開閉センサーの情報を、無線ゲートウェイを介してモニタリングできる仕組みを提供します。EnOcean対応センサーはローム、無線ゲートウェイはアットマークテクノの製品です。こうした先進的なモジュールを組み合わせたキットを提供して、新しいアプリケーション開発に取り組むお客様を支援します。見守りキットは、2016年1月13日から開催されるネプコン ジャパン 2016で紹介します。コアスタッフの今後の展開にぜひ注目していてください。

図 電池レス・配線レスの無線通信規格「EnOcean」に対応した「見守りIoTシステム開発キット」を発売
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