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Mouser Electronics

電子デバイスのグルーバルディストリビューターであるマウザー エレクトロニクスが、日本にカスタマーサービスセンターを新設した。新製品をどこよりも早く供給することを強みにした電子デバイスのワンストップショップ・サービスの提供を通じて、日本での革新的な技術や製品の創出を支援していく。同社が提供するサービスの特徴と日本オフィス設置の狙いなどを代表取締役社長 兼 CEOのグレン・スミス氏に聞いた。

――近年の業績をお聞かせください。

スミス 当社は、半導体と電子部品のグローバルな認定ディストリビューターの中で、最も速く成長してきた企業です。この10年で、売り上げが約4倍に伸びています。特に2014年度には、29%増と成長しました。2010年以降、従業員数や世界の支店数も2倍に拡大しています。2015年になって、半導体と電子部品の需要はやや落ち着きましたが、自動車および交通輸送部門での勢いはまだ衰えていません。また、「モノのインターネット(IoT)」分野の応用拡大で需要が伸びており、マイクロコントローラーとセンサーというIoT関連の一次設計製品が好調です。この流れは2016年も続くと見ています。

 マウザーでは、村田製作所、TDK、パナソニック、東芝、太陽誘電、ローム、オムロンなどの日本メーカーのほか、インテル、TI、アナログ・デバイセズ、NXP、オン・セミコンダクターなどの世界のトップブランドを含む500社以上のメーカーの製品を幅広くそろえ、販売促進していきます。

最新製品の早期提供では負けない

――同業他社に対する強みを教えてください。

スミス 特に、最新製品の導入(NPI)の早さでは絶対に負けません。お客様の製品開発や迅速な市場投入を実現するため、新製品をいち早くストックし、あらゆる顧客に完全なサービスを提供することを大切にしています(図)。そのために、サプライヤーと緊密に連携しています。また、世界21カ所にカスタマーサポートセンターを設置。その地域に合った時間帯、言語、通貨で製品やサービスを提供しています。

図 最新製品を豊富に揃え、迅速に提供するマウザー エレクトロニクスの倉庫
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――現在の業界はどのような問題を抱え、マウザーはそれをどのように解決しようとしているのですか。

スミス 欧州とアジアの通貨変動、業界全体で顧客の需要が落ち込んでいることが問題として挙がります。マウザーは、需要の落ち込みについては、NPIに力を入れることで、市場の変動に耐えることができると考えています。ユーザーは、常に新しい何かを探しています。次のヒット作となる電子機器が、マウザーの提供する最新製品から生まれればと願っています。一方、かつてない大きな通貨問題を抱える欧州ですが、市場は前年度比30%の成長を記録しており、今後も成長し続けると見ています。日本も同様で、2012年と比較すると、ほぼ50%となる円安傾向が続いていますが、同期間中でのマウザーの成長率は50%を超えています。

 世界で毎日、800社以上の新規顧客を獲得しています。豊富なストックと、最新製品を重点的に取り扱うマウザーの強みが、この成長を支えています。顧客のどんなニーズにも応えられる在庫を世界各地に用意し、必要があれば1~4日で対応するシステムを構築しています。最低発注量などの規定もありません。こうした体制が評価され、NPIのことならまずマウザーに聞く、というエンジニアが増えています。

よりキメ細かいサービスを日本で提供

――日本オフィスを開設したと聞いています。

スミス マウザーは、革新的な技術の開発において、日本が重要な市場になると考えています。数多くの設計エンジニアがいて、中小規模の製造業が飛躍的な成長を遂げている点も、当社のビジネスモデルにぴったりです。これまでにも、総合ウェブサイト(Mouser.com)に加え、アジアに展開する支店を通じて、日本の顧客にサービスを提供してきました。そして2014年の日本における事業は、36%成長し、顧客数も23%増えました。

 今後は、日本でのブランド力をさらに強化し、存在感の向上を目指していきます。このため、2015年6月に「カスタマーサービスセンター」を開設しました。顧客サービスのプロを配置し、サポートを充実させながらビジネスを拡大していく考えです。特に日本は、常にロボット工学や自動車分野の先駆者であり続けています。マウザーは、最新の半導体と電子部品の「ワンストップショップ」として、日本のエンジニアに貢献したいと考えています。また、日本のサプライヤーとの提携関係を深めて、マウザーのプラットフォームを介した海外展開も支援していきます。

――マウザーの特徴的なサービスを紹介してください。

スミス マウザーのサービスの中心は、多言語対応の総合ウェブサイト(Mouser.com)です。ここには、オンライン購入をガイドする、さまざまなサービスやツールを用意しています。例えば、高度な部品表(BOM)ツールは、部品(素材)名をアップロードすれば、リアルタイムで価格と納期が表示されます。エンジニアやバイヤーは、プロジェクトマネージャー、カート/プロジェクトを使って、シンプルな操作でプロジェクトを保存し、共有できます。また、www.mouser.com/new/www.mouser.com/applications/など、エンジニアが新しい製品やアプリケーション、技術を簡単に検索できるサイトも用意。Mouser Newest Products(マウザー最新製品)サイトでは、詳細な技術情報をカテゴリー、メーカー、週別に表示できます。この他にも、ナショナルインスツルメンツとの提携により、マウザーが提供する製品を使ってシミュレーションできる集積回路設計ツール「MultiSIM BLUE」を導入し、BOMやカート購入機能と完全統合させています。

――日本の顧客に向けてメッセージをお聞かせください。

スミス 未来の見通しは明るく、業界の成長機会は豊富にあると考えています。当社では、今後の発展に備えて、米国の本社兼流通センターをさらに25万平方フィート(東京ドーム半個分)拡張し、在庫対応量を増やし、流通(配送)機能を強化する予定です。eコマースとマーケティングにも投資を続け、質の高いサービスとクラス最高のアプローチに力を入れ、顧客獲得を維持していくつもりです。

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