日経テクノロジーonline SPECIAL

日本テキサス・インスツルメンツ

高性能アナログ半導体や組み込みプロセッシングの分野を中心に活躍するテキサス・インスツルメンツは、約10万種類に上る業界随一の規模を誇る製品ポートフォリオをベースにしたソリューションをさらに強化し、市場の変化に立ち向かう顧客に向けて新たな付加価値を提供している。こうした戦略の背景にある考え方や、2016年以降の取り組みなどについて、同社日本法人の代表取締役を努める田口倫彰氏に聞いた。

――2015年の業績を振り返ってください。

田口 世界全体の業績を振り返ると、第1四半期から第2四半期は堅調でした。第3四半期以降は市場の減速の影響がありますが、アナログ、組み込みのコアビジネスや注力分野は着実に成長しています。

――成長に大きく貢献しているアプリケーションは何ですか。ワールドワイドと日本それぞれについてお聞かせください。

田口 TIが注力しているアプリケーションは、「オートモーティブ」「産業用」「パーソナルエレクトロニクス」「通信用機器」「エンタープライズ・システム」の5つです。このうち成長に大きく貢献しているのは、オートモーティブと産業用です。近年、この2つの分野における売り上げの割合が増えています。ワールドワイドでも売上比率が高まっていますが、実は、日本市場だけを見るとこの2つの分野の割合は、さらに高くなります。それぞれの分野で、世界をリードする企業が日本に集まっているからです。

オンラインの支援を一段と強化

――事業強化に向けた戦略について教えてください。

田口 TIは提供する付加価値の源泉を「デバイス」から「ソリューション」へとシフトさせています。優れた機能や性能を備えたデバイスを提供するだけでなく、お客様が開発するシステムの領域に踏み込んだ技術、製品・サービスを提供することで、製品開発に掛かるお客様の時間やコストの削減に貢献する考えです。

――ソリューションの認知を高めるための取り組みは。

田口 大きな取り組みの1つが、リファレンスデザイン・ライブラリ「TI Designs」です。アプリケーション・ノート、シミュレーション情報、参考回路図などTIの半導体デバイスを活用するためのさまざまな設計情報を包括的に提供し、アプリケーションや電源などの分野別に検索できる、業界最大規模のライブラリです。現在2400種近いTI Designsを用意しており、FA機器などの産業向けは約1600種、車載向けは約300種あります。また、民生などに向けたリファレンスデザインも掲載しており、継続してライブラリの拡充を図っています。

 こうしたライブラリを徹底活用していただくために、お客様のサポートも重要です。特に最近は、市場のグローバル化を受けてお客様の活動領域が世界に広がっています。TIは、業界で最も充実した営業やFAEのサポートを提供していると自負していますが、それに加えてインターネットを利用して24時間サポートできる体制を強化しているところです。電源回路の特性シミュレーションや設計者から高い評価を受けている「WEBENCHオンライン設計支援ツール」をはじめ、さまざまな設計支援環境をインターネット上で無償提供しています。引き続き、この環境の拡充を図る方針です。

新たなけん引役が浮上

――2016年の方針を教えてください。

田口 注力分野を表すキーワードが「SIC」、すなわち「Sensing」「Intelligent」「Control/Connectivity」です。いずれも既存の製品ラインアップで網羅していますが、より高い付加価値がこれらの領域で創出できると考えています。そこで重要になるのが、よりお客様が使いやすい形で製品を提供することです。このために、TI Designsの拡充を図ります。これに加えて、すぐに開発をスタートでき、デバイスの機能を使いこなせるスターターキットなどの拡充も考えています。

――注力分野に向けて、どのような取り組みをしていくのでしょうか。

田口 オートモーティブの分野では、電子化の領域が広がります。これまではインフォテインメントが中心でしたが、メータークラスターやボディー系の電子化が、これから本格化します。具体的にはメータークラスターでは、機械式メーターから液晶パネル表示への置き換えが加速。ボディー系では電動シートや空調ユニットHVAC(Heating, Ventilating, and Air Conditioning)など、電子回路を組み込んだ電動システムの採用が進みます。これとともに、アナログ製品を中心にオートモーティブ関連商品の需要が伸びる見込みです。

 これに続く形で自動運転の実用化をにらんだADAS(先進運転支援システム)の開発が活発化しており新たな需要が生まれると思っています。TIは、こうした自動車の進化に先行する形で先進的な車載用製品やソリューションの拡充を図っています。

 産業用では、新たなけん引役が浮上しています。例えば、ロボット同士で相互連携する高度な機能を備えたインテリジェント・ロボット。食の安全に対する消費者の意識の高まりを受けて導入の機運が高まっている食品工場向け検査機器などです。既に具体的な製品の引き合いが増えています。

センサーの拡充をさらに加速

――IoTについては。

田口 2015年以降、IoT関連の市場も急成長すると思います。IoT関連の商談は倍増。今後の大きな成長の手応えを感じています。IoT向けの製品には、センサー、フロントエンド、低電力マイコン、無線通信関連製品などがあります。この中で特にセンサーのラインアップの強化に力を入れます。センサーの品種は、3年ほど前に約80種類でしたが最近では200種類を超えました。今後もさらに種類を増やす方針です(図)。

図 IoTの普及に向けてセンサー関連製品を拡充
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 TIは、先進的かつ、充実した製品、ツールをさまざまなサービスと組み合わせ、お客様の製品の競争力強化に貢献する考えです。これからのTIの展開にぜひ注目してください。

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