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東芝三菱電機産業システム

太陽光発電用パワーコンディショナー(PV-PCS)や産業プラント向けインバーター、大型モーターで国内外で事業を展開する東芝三菱電機産業システム(TMEIC:ティーマイク)。同社は現在、イベント型からソリューション型へと企業価値の転換に取り組んでいる。また、グローバル展開では、輸出型から現地化型に軸足を移している。今、それらの成果が着実に表れつつあるという。同社 取締役社長の町田精孝氏に、2015 年の成果と、これからの展望を聞いた。

――2015年はどのような年でしたか。

町田 現在のTMEICは、お客様の設備投資案件を応札受注するイベント型から、新たな価値を提案するソリューション型へと、企業価値を変える転換期にあります。また、社会貢献につながる環境エネルギー事業も強化しています。これらの成果が、早くも数字として表れ始めました。従業員の意識改革も進んでおり、これからがますます楽しみになった一年でした。

 さらに「真のグローバル化」、つまり輸出型企業から現地化を推し進めた企業への転換でも、象徴的な成果が得られました。

社長も驚くTMEICの現場力

――見込まれる実績を教えてください。

町田 連結ベースで、売上高は過去最高の約2400億円を目指しています。これは、グローバル市場で伸びた成果であり、海外比率は40%超になりそうです。「連結売上高で3000億円、海外比率半分」という目標が射程圏内に入ってきました。海外比率が伸びた最大の要因は、北米市場向けPV-PCSでの大躍進です。特に、大容量の1.667MW機の受注が急増しました。

 国内市場は固定価格買取制度(FIT)の見直しもあり、若干の陰りが見えます。しかし、海外市場での事業拡大が、それを補って余りある伸びを期待できることが明確になりました。ブームに乗る短期的な事業ではなく、長期的な視野で事業を考えていきます。

――事業を拡大できた要因は。

町田 まず、当社の製品が、海外から非常に高い評価を受け、認知度が向上しました。大容量のPV-PCSでは、2014年に世界的に権威のあるIntersolar AWARD 2014の部門最優秀賞をアジア企業として初めて受賞。2015年にも米国の大手調査会社Frost & Sullivan社から、PV-Inverter部門で「2014 Global Company of the Year Award」の最優秀賞を受賞しました。

 また、ニーズの急増に応えられる生産体制を構築できたことは、誇れる財産になりました。重量約5トンもある大型装置の生産能力を急増できた現場力は賞賛に値します。それまで5日だった生産リードタイムを、何と2日で生産できるように改善。当社の工場の2ラインだけでは足りず、外部の工場も借りて14ライン体制で生産できるようになりました。その結果、2014年には、同機種の生産能力は月産20台にすぎなかったのですが、2015年上期には120台、下期には180台に引き上げることが可能になりました。まさに、従業員全体のチャレンジ精神、意識改革のたまものです。2016年には再投資も予定しています。

――まさに大躍進ですね。

町田 インドでの販売も伸びています。インドでは、火力発電よりも太陽光発電の方が安価なグリッドパリティに達しています。このため太陽光を、当たり前のエネルギー資源と捉えています。

 例えば工業団地を建設するとき、遠方から電力を送る施設を作ると、長い時間が掛かってしまいます。これに対し太陽光発電は、必要に応じて迅速かつ柔軟に設置できます。当社が2014年にAEG社から購入した現地工場は、買った当時は空っぽの状態でしたが、今はフル生産しています。

グローバル市場攻略の布陣はできた

――その他の事業はいかがですか。

町田 電動機では、2015年度からスタートしたトップランナー制度に向けた準備を早くから進めており、2014年10月には軽量・高効率のIE3対応機種をいち早くラインナップし市場に投入しました。その成果が出つつあります。また、2016年春には、インド電動機工場の操業が始まります。50億円規模の大型投資です。汎用品を中心に、TMEIC基準の高品質な製品を、インド国内のみならず、世界中に供給します。同時に、インド製の部品・半完成品を日本の工場でも活用してグループ全体の競争力を底上げします。

 国内工場の京浜工場では、設計と製造の効率化を狙って、大胆な投資をしています。設計面では、既に全ての設計データを3D CAD化しました。これによって、設計データを生産現場に直接送り、NC加工機での生産に活用できます。2016年には、これらの具体的な成果を出して、その成果を他の工場へ拡大していきます。

――インドはかなり強化されました。

町田 インドは、当社の戦略市場です。同時に、高い品質と技術に基づく製品を全世界に供給していく、グローバルサプライチェーンの重要拠点と位置付けています。このため、「グローバル版TMEIC」と呼べる日本と同じ機能を全て備えた体制を、2015年10月に整備しました。価格競争が極めて厳しいインドで、グローバルで勝ち抜ける現地生産の形を作り上げます。立ち上がりは早く、目標である売上高2億米ドル、そのうちインド市場向け7割を、予定より早い2018年度中に達成できると考えています。

図 2016年1月から生産を開始するTMEICのインドのモーター工場
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――エンジニアリングはいかがですか。

町田 主力だった中国の鉄鋼向け事業で、お客様が設備過剰の状況になりました。我々にとっては逆風ですが、新たなソリューションビジネスを立ち上げ、お客様が求める付加価値をご提供するアプローチが成果を上げつつあります。この事業は、これまでは当社製設備のお客様が中心でしたが、今では他社製設備を導入した施設の改修も行っています。かなり手応えを感じています。

――会社の姿が随分変わりましたね。

町田 当社は、お客様の期待を上回る製品・サービスを提供できる企業でありたいと考えています。既存事業以外でも、半導体製造の分野に技術革新をもたらすミスト成膜装置など、これから新たな市場を作り上げる技術も数多く持っています。TMEICの現場力、提案力を生かして、お客様が抱える課題の解決に貢献できるよう、チャレンジしていきたいと考えています。

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