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【日本写真印刷株式会社】新事業開発を担う多彩なエンジニアたち 異なる技術を融合させ市場を切り拓く

 雑誌やポスターなどの印刷事業に端を発し、今では、印刷技術を独自に応用した多種多様な製品・サービスを提供している日本写真印刷(以下、NISSHA)。まだ世界にない価値を新たな市場に創出することを目指して、大きく4つの事業を推進している。

 具体的には、プラスチックや金属などに機能・意匠を印刷する「産業資材事業」、タッチパネルなどの生産・開発を行う「ディバイス事業」、ガスセンサーと医療・化粧品分野の製品を提供する「ライフイノベーション事業」、印刷物やインターネット系サービスを提供する「情報コミュニケーション事業」である。

 中でも、現在、同社の売上高の約6割を占めているのがディバイス事業だ。例えば、同社のディバイス製品の1つであるタッチパネルは、印刷で培った高度な技術を応用し、薄さ、軽さ、高い視認性、そして、正確なセンシングでストレスのない操作を実現。多くのタブレットPCやスマートフォン、ゲーム機などに採用されている。

 順調に業績を伸ばしているディバイス事業だが、今後、NISSHAがより安定的に成長していくには、これまでとは異なる新たな分野で事業の柱となりうる製品を開発していく必要がある。その重要な役割を担っているのがディバイス事業部内に設置された新製品開発部だ。

 現在、新製品開発部が取り組むテーマのうち、事業化の芽が育ち始めているのが「無線センサーネットワーク」である。

 近年、あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT(Internet of Things)」に注目が集まっている。家電、自動車、建物や道路といった建造物などまでがインターネットにつながるようになれば、高齢者の見守りやエネルギー供給の最適化、交通渋滞の緩和、道路や橋などの老朽化対策および事故の未然防止など、様々な問題を解決できると期待されているのである。

 同社の無線センサーネットワークは、その一翼を担うソリューションだ。

 CO2などのガスや温湿度、振動などを検知する各種センサーを制御する技術と、エナジーハーベスト(振動発電)技術、ワイヤレス通信技術を組み合わせることで電池レスで半永久的に稼働を続けることができる上、配線も不要な製品を開発。この製品を核に、用途や目的に応じたシステムを構築して、顧客に提供しようとしている。

 「数年前から、ディバイスやシステムの開発、さらには、M&Aなどを行って製品や技術を拡充してきました。その結果、センサーモジュール製品、制御プログラム、アプリケーションといった単体での提供だけでなく、無線センサーのシステム全体を提供できる体制が整いました。これは国内でも類を見ない、当社ならではの強みといえます」とディバイス事業部 新製品開発部の柴田淳一氏は話す。

図 室内環境モニタリングシステムの概要
室内の人、温湿度、CO2などをセンシングし、クラウド上のサーバに情報を収集。快適な環境維持などに利用できる
[画像のクリックで拡大表示]

 検知する対象に合わせてセンサーやシステムを最適化することで、ヘルスケア・介護、医療、農業、教育、住設、産業機器、自動車など、無線センサーネットワークの利用シーンは無限に広がる。すでに提供を開始しているソリューションとしては「室内環境モニタリングシステム」がある。

 これは、室内の人、温湿度、CO2など検知し、その部屋に人がいるかどうかの確認だけでなく快適な環境維持に役立てようというもの。オフィスの会議室に設置すれば、会議室の利用状況を遠隔から把握できるし、適切な空気の入れ替えなどのタイミングもわかる(図)。すでに試験的に採用する企業もあり、具体的な商談に進むケースも出ているという。

 センサーからシステムまで、トータルにソリューションを提供するためには、様々な知見が必要となる。そのため新製品開発部には、情報系から電気系、化学系、機械系まで、多様なバックグラウンドとスキルを持つエンジニアが集結している。

 入社6年目の角谷 栄二氏もその一人だ。「大学では、情報系を専攻していましたが、入社してすぐに配属されたのは電気系の開発でした。当初は戸惑いもありましたが、タッチパネルの検査機など、学生時代の研究とつながりのある業務をきっかけに、徐々に新たな知識・スキルを身につけることができました」と角谷氏は話す。

 現在は、無線センサーネットワークの電気回路の設計・評価を担当。センサーモジュールは、様々な環境に設置することが想定されるため、部品レベルで耐久度などをチェックしている。「新しい事業ですから、外部のセミナーに参加したり、文献を参考にしたりしながら、評価の基準を作ることから始めました。試行錯誤の連続ですが、それがやりがいにつながっています」と角谷氏は言う。

 一方、大場 芙美氏は、ソフトウエアエンジニアとして活躍している。

 「大学では、情報系を専攻し、プログラミングを学びました。ですから、システムインテグレーターなどへの就職を考えていたのですが、同じプログラマーばかりがいる環境より、異なる分野のエンジニアたちと一緒に働けることに魅力を感じNISSHAに入社しました」と大場氏は言う。

写真 大場氏が開発に携わったワイヤレススイッチ
メンテナンスフリー、配線レスでガラス壁面などへの設置も可能。2015年度グッドデザイン賞受賞

 大場氏は、入社2年目のエンジニアだが、センサーモジュールやスイッチ製品の制御プログラムを開発するなど、すでに最前線で大きな仕事を任されている(写真)。もちろん、仕事を支えているのは大場氏自身の努力やスキルだが、同時に部内の先輩エンジニアたちの支えも大きいという。「様々な専門分野を持つ先輩たちが、すぐ隣に座っており、センサーの動く仕組みなど、疑問や問題を伝えると、それを解決するために、すぐに簡易なミーティングを開いてくれたりします。とても心強いです」と大場氏は話す。

 このように、同社には、様々な技術分野の役割があり、若手エンジニアには専攻に関係なくチャレンジの機会を与えながら成長を促すという文化が根付いている。「『情熱(Passion)』を持って主体的に動く者には、より大きなチャンスが与えられます。ですから、若手エンジニアには、“こんなことをやりたい”という思いを持ってほしい。当社は、その夢を実現できる環境があります」と柴田氏は話す。

 NISSHAは2015年4月から運用を開始した3カ年の第5次中期経営計画のなかで、新事業・新製品売上高比率を35%にまで高めることを目標としている。その達成のためには、貪欲に挑戦する若きエンジニアの力が欠かせないのだ。

会社情報
【資本金】 56億8,479万円
【社員数】 787人(連結3,837人/2015年9月末現在)
【設立】 1929年10月
【事業内容】 <産業資材事業>自動車(内装)・スマートフォン・家電製品へ意匠や機能を付与するIMD製品や印刷関連資材の開発・生産
<ディバイス事業>タブレット端末・スマートフォン・携帯ゲーム機で使用されるタッチパネルの開発・製造
<ライフイノベーション事業>ガスセンサーと医療やヘルスケア市場向け製品の開発・生産
<情報コミュニケーション事業>印刷メディアとコミュニケーション戦略全般をサポートするサービスの提供
採用情報
【採用職種】 技術系:技術開発・製品開発、技術・生産技術、R&D、
品質管理・品質保証、生産管理・購買など
事務系:営業(海外・国内)、管理部門、生産管理・購買など
【採用実績大学】 全国国公立私立大学
【採用実績学科】 技術系:電気・電子、機械、情報、化学、材料、バイオ、物理など
事務系:全学部全学科
【勤務地】 京都、東京、大阪、石川、兵庫、滋賀、三重
【2016年入社予定数】 技術系:16人 事務系:9人
【初任給】 修士了:月給 228,700円(2015年度初任給実績)
大学卒:月給 209,500円(2015年度初任給実績)
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