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新エネルギー社会を支える製品が着実に進化

ニチコンは、NECST(Nichicon Energy Control System Technology)事業を積極的に展開している。主力製品であるコンデンサの開発で培った蓄電技術を足掛かりに立ち上げた新規事業だ。家庭用蓄電システム、V2H(Vehicle to Home)システム、次世代自動車向け急速充電器など新エネルギー社会を支える製品を中心に展開する同事業では、市場ニーズの変化を先取りした機能や性能を備えた製品を業界でいち早く市場に提供している。

 電気エネルギーを蓄える機能を提供する電子部品であるコンデンサの大手として知られるニチコンは、「より良い地球環境の実現に努め、価値ある製品を創造し、明るい未来社会づくりに貢献する。」という経営理念を掲げるとともに、2010年3月に経営トップ直轄の「NECSTプロジェクト」を立ち上げた。これを契機に、家庭用蓄電システム、V2H(Vehicle toHome)システム、次世代自動車向け急速充電器やスマートグリッド向けのエネルギー・マネジメントシステムなどの製品を次々と市場に投入してきた。

 さらに2013年11月に、NECSTをプロジェクトから事業本部に昇格させた。新エネルギー社会を支える環境関連製品を同社の事業の大きな柱に位置付ける方針を明確にした。同社はNECST事業をコンデンサ事業とならぶ、もう一つの事業の柱とすべく、取り組んでおり、その実現に向けて意欲的な製品を次々と市場に送り出している。

ハイブリッド蓄電システム

 東日本大震災以降に電力需給に対する不安が消費者の間で高まったのを受けて、2012年に業界でいち早く家庭用蓄電システムを同社が製品化した。すでに同製品の出荷台数は3万台を超えている。家庭用蓄電システムの市場をリードしてきた同社は、2016年6月に、太陽光発電システムと連動する大容量ハイブリッド蓄電システム(容量12kWh)の家庭向け製品「ESS-H1L1」を発売した(図1)。

図1●ハイブリッド家庭用蓄電システム
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 停電などの非常時に通常使用しているコンセントに蓄電システムから電力を供給することができるので、非常時にプラグを差し替えずに、そのまま電気製品を稼働させることができる。これまでのシステムでは、太陽光発電システムと蓄電池のそれぞれに搭載されていたパワー・コンディショナーを、同製品では一体化することで電力変換時に発生するロスを抑えているのも特長だ。

装備を強化した新モデルを追加

 EVと家庭の間で電気を融通し合うV2Hシステムについては、2012年に「日産リーフ」と連動する「EVパワー・ステーション」を業界に先駆けて製品化。これ以降、対応可能な車種を増やしている。具体的にはこれまでに、三菱自動車工業のEV「MiEVシリーズ」、トヨタ自動車のFCV(燃料電池自動車)「MIRAI」、三菱自動車工業のPHV(プラグイン・ハイブリッド車)「アウトランダー」に対応できるようにした。

 2016年8月には、従来から展開している「高機能モデル」と「標準モデル」に加えて新たに「アドバンスモデル」をラインアップに加えた。消費電力を抑えた標準モデルに、今までオプションだった室内リモコンや静音フードを標準搭載し、コストパフォーマンスを高めた。

 同社が2009年から販売しているEV・PHV用急速充電器に、標準規格「CHAdeMO 1.0.1」に対応した機種を、2015年秋に業界に先駆けて製品化した。2016年8月には、小型化を追求すると同時に、出力を高めた25kWと35kWの機種を追加した(図2)。現行機に比べて設置面積を17%縮小。容積は326Lから294Lと9.8%削減している。現行の30kW機では120Wだった待機電力を、35kW機では20Wと大幅に減らしている。

図2●25kW・35kW出力EV・PHV用急速充電器
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